老後の年金を増やす方法のひとつに、年金の繰下げ受給をする方法があります。公的年金は、原則として65歳から受給開始となりますが、繰下げることで年金額が増額される制度です。
ただし、繰下げ受給を選択するとデメリットもあるため、選択前に確認する必要があります。
本記事では、年金の繰下げ受給の概要や気を付けたい3つのデメリットについて解説していきます。
1. 老齢年金の繰下げ受給とは
老齢年金の繰下げ受給とは、老齢基礎年金や老齢厚生年金を原則の65歳から受給せずに、66歳以降75歳の間に繰下げて受給開始する制度のことです(※昭和27年4月1日以前生まれの方は、70歳が上限)。
1ヵ月繰下げるごとに0.7%増額され、増額率は受給中ずっと適用されます。
老齢基礎年金と老齢厚生年金は、別々に繰り下げることが可能です。たとえば、老齢基礎年金は65歳から受給開始し、老齢厚生年金は70歳まで繰下げるといったことができます。
増額率は、以下の計算式で求めます。
増額率=0.7%×65歳に達した月から繰下げ申出月の前月までの月数
75歳まで10年間(120月)繰下げると、増額率は最大で84%となります。