3.3 3.社会保険料や税金が高額になる
年金受給額が高額になると、社会保険料(介護保険料、国民健康保険)や税金(所得税、住民税)も高額になります。
保険料や税額は所得に応じて決まり、所得が多くなるほど納める金額も高額になります。
年金を繰り下げたことで受給額が増えても、社会保険料や税金がその分多く引かれてしまうと、手取り額がそれほど増えていないというケースもあるのです。
繰下げで損をしないために、繰下げるとどのくらい受給額が増えるのか、そして社会保険料や税金はどのくらい引かれるのかを試算することが大切です。
ご自身で計算するのは難しいため、年金事務所や年金相談センターで相談してみましょう。
4. まとめにかえて
年金の繰下げ制度を利用すると、75歳まで繰下げた場合、最大で84%が増額されます。年金額を大きく増やせる制度ですが、寿命によっては総受取額が少なくなるデメリットがあります。
ほかにも、加給年金が受給できないことや社会保険料や税金が多く引かれるといった点にも注意が必要です。メリットだけでなくデメリットも理解したうえで制度を活用しましょう。
参考資料
木内 菜穂子