2018年7月6日に日本証券アナリスト協会主催で行われた、久光製薬株式会社2019年2月期第1四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料
スピーカー:久光製薬株式会社 取締役執行役員 IR室長 髙尾信一郎 氏
1.2019年2月期第1四半期の振り返り(1)
髙尾信一郎氏:本日は足下がお悪い中、集まりいただきましてありがとうございます。では、さっそく始めさせていただきます。
まずは2019年第1四半期の振り返りで、まず一般用医薬品といたしましては、新商品をいくつか出しております。「ブテナロック®Vα」のクリーム18グラム、液18ミリリットルの新発売。
あと、「サロンパス®」120枚入の新発売。これは従来、新しい「サロンパス®」を出しましたということをお話ししてたんですけども、これまでは40枚と80枚の2つの容量を発売だけしてたんですけども、新たに需要がだんだん増えてきたことがございまして、大容量の120枚入を出しております。
旧来品「サロンパス®Ae」の140枚入は、インバウンド需要もあったりしますので、ずっと販売し続けていたんですけども、少しずつ大容量も入れ替えていこうということでございます。
あと、「のびのび®サロンシップ®Fα」の新発売と、「のびのび®サロンシップ®F」新包装発売。新包装発売と言いますのは、「のびのび®サロンシップ®F」は、12枚と24枚入の包装を発売していましたが、「枚数が少ない、足りない」というお客さまの声に従いまして、20枚および40枚と、容量を大きくしたサイズのものを発売をいたしました。
医療用医薬品に関しましては、経皮吸収型アレルギー性鼻炎治療剤の「アレサガ®テープ」の4ミリグラムと8ミリグラムを新発売しております。ただ、新発売が4月26日で、ほぼ今シーズンが終わりにかかっていることもございました。今、いろいろと新商品のプロモーションに力を入れているところでございます。
もう1つ、NovenがFDAからWarning Letterを受けておりましたけども、1月に査察が入り、正式にWarning Letterの解除のLetterが4月に来ました。今後もWarning Letter向けなくて済むように、日々努力していきたいと思っております。
その他のところでは、2017年・2018年のVプレミアリーグ、女子ですけども、2年ぶり6度目の優勝を達成できました。これも、いろいろありがとうございました。
また、雑貨品なんですけども、「ブテナロック®」のブランドを付けた除菌抗菌スプレーを新発売をいたしました。靴などに噴出していただいて除菌・抗菌の効果を発揮するというものでございます。薬局でもけっこう取り扱っていただいております。
1.2019年2月期第1四半期の振り返り(2)
昨年度に続きまして、「サロンパス®」が消炎・鎮痛剤などで世界ナンバーワンブランドであると、2年連続の認定を受けましたということです。
また、今回初めてなんですけれども、「久光製薬」が販売シェア世界ナンバーワンであるということで、Euromonitor社から認定を受けました。
これは「サロンパス®」の日で5月18日を制定しているんですけども、それに合わせて、認定の発表をさせていただいています。
1.2019年2月期第1四半期の振り返り(3)
それに合わせて、海外で売っている商品についても、サロンパスがナンバーワンのブランドであるということをパッケージに書いております。
1.2019年2月期第1四半期の振り返り(4)
当社は中計で、2022年の2月期には450億円を「サロンパス®」ブランドで売り上げるという目標でやっております。
2018年の5月の実績は293億8,900万円と、昨年からちょっと横ばいになっていますけども、一応、計画線には乗っているかなと思っています。
2.連結損益(1)-対前期実績-
では、連結損益の話をさせていただきます。
売上高は、(スライドの)赤い枠で囲まれたものが、当期2019年2月期の第1四半期の実績となります。
売上高は334億9,900万円で、増減額としてはマイナス25億8,200万円、増減率はマイナス7.2パーセントとなっております。この内訳につきましては、後ほどのスライドでまた説明をさせていただきたいと思います。
売上原価が136億円で、原価率40.6パーセントと、前期と比較しますと1.8パーセントほど悪化しております。
1つは、今年、薬価改定がございまして、医療用医薬品の売上の単価が下がりました。
また、OTC医薬品の「アレグラ®」、これは花粉症の薬ですけども、今年4月以降も非常に花粉が飛んだこともあって、前年に比較しますと5億円弱売りが伸びました。当社は「アレグラ®」に関しましては流通のお手伝いしかしておりませんので、納入単価、要するに原価率が非常に高くなっております。プロモーションは久光サノフィという関連会社でやりますので、見かけ上の原価率を押し上げる要因になっております。
販管費は155億4,300万円、前年と比較して14億4,300万円減少しております。主なものとしては研究費が14億円下がっております。これは、欧米でやっていました「HP-3070」が、今年1月に終わっているというところが、主な理由となっています。
営業利益としては、43億5,400万円で昨対比マイナスの7億3,500万円。純利益は34億5,200万円で昨対比マイナス2億2,100万円となっています。
2.連結損益(2)-主な差異理由-
売上のところでは、久光製薬は265億3,800万円、増減額はプラスの5億4,100万円と、単体としては増収となっています。
一方でNoven社は41億4,500万円で、マイナスの17億5,500万円で大きくダウンしています。これにつきましては、単体のところで説明をさせていただきます。
「その他」の調整額は28億1,500万円で、マイナス13億6,800万円と大きく下がっていますけれども、連結を算出しまして、そこから久光の個別、Noven社の個別の実績、それを足したものから、単純に連結から差し引いたものを、その他と入力させていただいています。
国際事業部の売上高は、3月・4月・5月の3ヶ月分が入っています。「その他」の久光アメリカは、1月から3月くらいの業績が入っています。2ヶ月間くらいずれがあるんです。
先ほど言いましたように、5月18日が「サロンパスの日」ということで、アメリカでもプロモーションやっています。そういった商品につきましては、3月に久光から久光アメリカに船便で出荷をしています。そうしますと、その3月の売上は、当然この第1四半期の中に入っているわけです。でも、商品はアメリカには4月に着いて、5月のプロモーションに向けて出荷をしましたというのは、4月・5月の実績になってきますので、その分につきましては、入らないような状態になっています。ちょっとずれがありますので、その他のところが下がって見えるというところであります。
売上原価は136億円、原価率は40.6パーセントで、1.8パーセントほど下がっています。
営業利益は43億5,400万円で、マイナスの7億3,500万円。経常利益は44億4,900万円で、マイナスの4億9,100万円。
純利益は34億5,200万円で、マイナスの2億2,100万円という数字になっています。
3.個別損益-対前期実績-
個別の損益になります。
先ほど言いましたように、売上高は265億3,800万円で5億4,100万円のプラスです。
医療用医薬品事業としては、売上高は157億1,800万円で、11億4,500万円ダウンしています。当社は従来、薬価改定が4月に行われるものに対しまして、3月1日から新しい仕切価で出していました。
そうしますと、当社の期末、2月に買い控えが起こるというところがございまして、今期より、3月の中旬から仕切価を変更することにしました。その時点で、残っている在庫につきましても、在庫補償というかたちを取ることによって、3月にはそういった残った在庫の値引き処理を行っていることもあって、実際よりも弱く見えるところがあります。
また一方で、薬粧事業部は先ほど言いました、「アレグラ®FX」が非常に想定以上に伸びていまして、大半の部分が「アレグラ®FX」の伸びとなったと思います。
国際事業部は27億4,300万円で、前年と比較すると65.6パーセント増と、大きく売上を伸ばしています。先ほどお話しましたように、アメリカでの5月18日を1つの山としていろんなプロモーションをやっており、そのための商品群を3月などに出荷していることもあって、大きく売上が伸びているということでございます。
売上原価は103億円400万円、昨対比プラス8億2,600万円になって、38.8パーセント増と伸びています。先ほどお話しました薬価改定と、原価が高い「アレグラ®FX」のウェイトが高まったことがございます。
販管費は123億7,100万円で、13億円減少しています。大きなところでは研究費が24億2,300万円で前年よりも13億4,400万円減少しています。
営業利益は38億6,300万円で、10億1,500万円の増加となりました。
純利益は32億300万円で増加が5億300万円となります。
4.Noven社損益-対前期実績-
Noven社は売上が41億4,500万円で、17億5,500万円減のマイナスの29.7パーセントと、非常に大きくダウンしています。
ただ、2018年2月期第1四半期の59億円と言いますのが、2016年の実績です。先ほど申し上げた査察対応ということで、かなりそちらにウェイトをかけられて、生産に十分な時間を作れていなかったということであって、品薄状態がずっと続いていました。
それが、2017年でほぼ終わったことによって、品薄状態だったものを、この第1四半期で解消できるように生産して出荷できています。ですから、前年同期で比較すると、大きな増減率となっていると思います。
売上原価は23億5,900万円で、原価率が56.9パーセントと上がっています。このところにつきましては、やはり売上原価の中での固定費のウェイトが高まっていることが想定されます。
販管費は15億4,600万円。
営業利益は2億3,800万円。
税引前利益が2億8,600万円で、純利益が3億300万円という数字になっています。
税金等につきましては、もともとNovenが上げてきた年間予算では、ほぼ利益が出ないというところもございましたので、そこまで変わらないというところがありました。
ここで為替なんですけれども、昨期は112円85銭、今期は107円47銭で5円強円高に振れているというところがございます。
5.商品別売上高(1)-医療用医薬品/対前期実績-
次に商品別の話をさせていただきます。
医療用医薬品につきましては、198億5,300万円と、全体としては29億9,800万円減少しております。パーセントでいきますと13.1パーセントのマイナスです。
「フェントス®テープ」につきましては13億3,300万円で、3億1,900円のプラスということでございます。
「モーラス®テープ」群は99億7,300万円で、マイナス15億6,300万円で13.5パーセントのマイナスとなっております。薬価改定に伴う仕切価変更での値引き対応といったものが入ったことによって、ここでも実態以上に大きく減少しているというところでございます。
あと「モーラス®パップ」の中のXRにつきましては、12億4,300万円でプラス1億3,000万円と、少額といいながらもプラスできておりまして、前年比ですとプラス11.7パーセントという数字を一応確保できております。
「Minivelle®」からがNovenの商品群になりますけれども、14億3,300万円がマイナス12億1,500万円と大きくダウンしました。
「Vivelle-Dot®」群につきましても8億8,300万円で、前年よりも3億7,000万円少なくなりました。これが品薄の対象で、これについては実態よりも強かったというところがございまして、大きくマイナスになっておりますけれども、問題なく通期目標を達成できると認識しております。
5.商品別売上高(2)-一般用医薬品・その他/対前期実績-
OTCになりますけれども、全体の売上高といたしましては127億9,000万円で、4億3,900万円のプラスとなっております。
「サロンパス®」群が、70億2,400万円でマイナス1億8,800万円、日本でもマイナス9,600万円、海外でも9,300万円のマイナスとなっております。
先ほどもお話ししたように、「サロンパス®」群につきましては日本では新「サロンパス®」の120枚入りの大容量を出して、従来の140枚からの入れ替えを行っているということもあって、在庫調整が入った部分も少し含めます。
ここにつきましても基本的に通期で出しております目標については達成できるというところで考えております。
「サロンシップ®」群が8億2,200万円でマイナス1億5,300万円、「フェイタス®」群につきましては14億2,700万円で1億7,500万円のプラス、「ブテナロック®」群も9億4,800万円で、プラス1億3,100万円です。
「アレグラ®FX」は、13億9,300万円で、前年と比較して4億5,200万円、率でいいますと48パーセントのプラスでした。
6.国内医療用第2世代貼付剤の動向(1)
スライドは国内の医療用第2世代の貼付剤の動向でございます。
スライドの赤い枠を見ていただきますと、70枚処方制限によって大きく落ちておりましたけれども、ほぼ1年で一巡しています。横ばいの状況が続いているというところでございまして、5月の時点の枚数ベースが53億4,600万枚、前年比でいきますと100.3パーセントです。
薬価ベースで1,473億7,300万円で、前期比でも100.5パーセントという数字になっております。
6.国内医療用第2世代貼付剤の動向(2)
国内医療用第2世代貼付剤の当社製品のシェアです。
「モーラス®テープ」群ならびに「モーラス®パップ」群の合計としましては、42.7パーセントです。2017年5月の43.9パーセントに比べますと、1.2パーセントほど落ちているという現状でございます。
「モーラス®テープ」群が37.7パーセントから35.9パーセントと1.8パーセント落ちています。
「モーラス®パップ」群は2017年5月が6.3パーセントから6.8パーセントと0.5パーセント伸ばしておりまして、これは「モーラス®パップXR」の貢献によるものでございます。
7.研究開発パイプライン
パイプラインです。
「HFT-290」のがん疼痛の0.5ミリが承認を得ました。
一方でマイナスの部分ですと後発品が出ております。ですが、後発品には、この0.5ミリはありません。
また、これは慢性疼痛の適応症もとっております。そういった意味では0.5ミリというのは非常に使いやすくなっておりますので、そういったところでのプロモーションも強化していきたいと思っております。
以上が説明となります。
ありがとうございました。