8月15日は、2ヶ月に一度の年金支給日でした。
月20万円以上の厚生年金を受け取る高額受給者は、全体の何割くらいいるのでしょう。
また厚生年金の金額に不足を感じている方向けに、年金の増やし方についても解説します。
1. 厚生年金を月20万円以上もらえるのは14.8%
厚生労働省が公表する「令和4年度版厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、年金月額ごとの割合を確認していきましょう。
厚生年金の被保険者で、月平均20万円以上の公的年金を受給する人の割合は14.8%です。
なお、この20万円には、老齢基礎年金(国民年金)の金額も含みます。
また年金月額のボリュームゾーンは10万円〜20万円となり、全体の約62.5%を占めています。
次の章では、厚生年金を月20万円もらうための年収について解説していきます。
2. 厚生年金を月20万円もらうための年収は約820万円
厚生労働省の公的年金シミュレーターをもとに、以下の条件で計算してみました。
- 1985年4月5日生まれ
- 厚生年金保険の被保険者期間22歳~60歳
- 65歳から受給
厚生年金で月20万円を受け取るためには、約820万円の年収が必要だとわかります。
ご自身の年収と比較していかがでしょうか。
3. 平均的な厚生年金額は約14万円
国税庁「令和4年版民間給与実態統計調査」によると、令和4年度の給与所得者の平均給与は458万円です。
給与のみ820万円から458万円に代えて、残りは同じ条件で先述のシミュレーターで計算すると、厚生年金の金額は約14万円になります。
厚生年金の平均額(老齢基礎年金を含む)が約14.4万円なので、概ね平均的な金額は約14万円と言って良いでしょう。
したがって月額20万円というのは、現役時代にかなりの高年収だった方でなければ達成できない水準と考えられます。
次の章では、将来の年金額を増やすためにやるべきことを解説していきます。
4. 将来の年金額を増やすには?
公益財団法人生命保険文化センターが、リスクに備えるための生活設計を考えるうえで「生活保障に関する調査」を実施しています。
- 15万円未満:4.9%
- 15〜20万円未満:9.2%
- 20〜25万円未満:27.5%
- 25〜30万円未満:14.4%
- 30〜40万円未満:18.8%
- 40万円以上:2.8%
- わからない:22.5%
あくまでも夫婦2人のケースですが、老後の最低日常生活費は平均23.2万円、ゆとりある老後を送るには平均で37.9万円が必要と言われています。
- 20万円未満:2.7%
- 20〜25万円未満:5.1%
- 25〜30万円未満:7.9%
- 30〜35万円未満:20.5%
- 35〜40万円未満:9.4%
- 40〜45万円未満:11.3%
- 45〜50万円未満:2.7%
- 50万円以上:18.0%
- わからない:22.5%
厚生年金の受給額に不安を感じたら、自身で早めに対策を立てなければなりません。
以下、年金額を増やす方法を3つ紹介します。
4.1 60歳以降も働く
厚生年金は70歳まで加入ができるため、60歳以降も加入することで厚生年金額を増やせます。
今働いている勤務先で定年延長や継続雇用してもらう方法もありますし、まったく新しい会社で厚生年金の被保険者として働くことを検討しても良いでしょう。
4.2 繰下げ受給を利用する
年金の受給は原則65歳からですが、66~75歳まで遅らせることで、受給額を増額させることができます。
これを年金の繰下げ受給と言います。
増額する割合は、1ヶ月あたり0.7%です。
仮に年金額10万円の方が、24ヶ月受給を遅らせた場合、年金額が「0.7%×24=16.8%」増額するため、年金額が11万6800円に増額します。
4.3 iDeCoを利用する
iDeCoは自身で掛金を拠出して、その掛金を使って自分で商品を選んで運用する制度です。
掛金は原則60歳まで引き出せませんが、掛金が所得控除になる、運用益に税金がかからないなど税制メリットが大きいので老後の資産形成に向いています。
また会社で確定拠出年金(企業型DC)を導入している場合、iDeCoに加入できないケースがありましたが、2022年10月より要件が緩和されました。
iDeCoは老後の資産形成のために国が後押しをしている制度なので、今後さらに要件が緩和される議論が行われています。
具体的な金額については決まっていませんが、企業型DCと合計で10万円までiDeCoに加入してはどうか?という提言も行われているようです。
5. まとめ
厚生年金を月20万円受け取って入る方の割合は、14.8%とあまり多くはありません。
平均的な受給額は約14万円なので、老後安心して生活をしていくためには、早い段階から準備をしておくことが大切です。
参考資料
金子 賢司