3. 【納付期間別】付加年金の加入で受け取れるシミュレーション

では最後に、「30年間」「20年間」「10年間」それぞれで、付加保険料を払い続けたらいくら年金額が増額するのか、シミュレーションしていきましょう。

おさらいとして、付加年金額は下記の計算式から算出できます。

【年金に上乗せされる金額】200円×付加保険料を納めた月数

上記の計算式から、算出したシミュレーション結果は下記のとおりです。

10・20・30年間付加保険料を納付した場合の納付総額と増額分(年額)シミュレーション結果表

10・20・30年間付加保険料を納付した場合の納付総額と増額分(年額)シミュレーション結果表

出所:国民年金機構「付加保険料の納付」を参考に筆者作成

3.1 【30年間:30歳から60歳まで付加保険料を納めた場合】

  • 30年間の納付総額:400円×360ヶ月(30年)=14万4000円
  • 老後に受け取れる増額分(年額):200円×360ヶ月(30年)=7万2000円

3.2 【20年間:40歳から60歳まで付加保険料を納めた場合】

  • 20年間の納付総額:400円×240ヶ月(20年)=9万6000円
  • 老後に受け取れる増額分(年額):200円×240ヶ月(20年)=4万8000円

3.3 【10年間:50歳から60歳まで付加保険料を納めた場合】

  • 10年間の納付総額:400円×120ヶ月(10年)=4万8000円
  • 老後に受け取れる増額分(年額):200円×120ヶ月(10年)=2万4000円

納付期間が長いほど、老後に受け取れる増額分が大きくなっており、どの納付期間であっても2年で元が取れるようになっています。

付加年金は、少額の追加負担で将来の年金額を増やせる制度となっているため、老後の資金計画の1つとして、加入の対象となる場合は利用の検討をしてみてはいかがでしょうか。

4. 他の年金増額制度も知っておこう

本記事では、付加年金の概要や加入条件について詳しく解説していきました。

付加年金は、毎月400円を納付することで将来受け取る年金額を増額することができます。

納付期間に関係なく、年金受給開始から2年で元が取れるため、長寿化が進む現代においてはプラスになる人のほうが多いとうかがえます。

ただし、付加年金は加入できる人が限定されているため、誰しもがこの制度の恩恵を受けられるわけではありません。

年金を増額できる制度は、付加年金以外にも「繰下げ受給」や「国民年金基金」など多くあるため、この機会に他の年金増額制度についても確認しておけると良いでしょう。

参考資料

和田 直子