1.1 付加保険料の納付メリットは「年金増額」だけではない?

付加年金の大きなメリットは、年金受給開始後約2年で納付総額を回収できる点にあります。

つまり、長生きすればするほど、付加年金のメリットを享受できることになります。

さらに付加年金保険料は、他の社会保険料と同様に、税金額の計算時に全額が社会保険料控除の対象となるため、節税効果も期待できます。

このように付加年金は「現役時代の税制優遇」と「老後の年金増額」という二重のメリットがあるため、「老後の生活に不安がある」と感じている方は、加入を検討する価値は大いにあるでしょう。

留意点として、付加年金保険は誰でも加入できるというわけではありません。

次章にて、付加年金の加入対象について確認していきましょう。

2. 付加年金の加入対象者は?

付加年金に加入できる人は、下記のいずれかに該当する場合に限ります。

  • 国民年金第1号被保険者
  • 任意加入被保険者(65歳以上の方を除く)

「国民年金第1号被保険者」には、自営業者、農業者、学生、フリーランスなどが該当します。

会社員や公務員などの「第2号被保険者」、および「第2号被保険者」に扶養されている配偶者(専業主婦(夫)など)である「第3号被保険者」は、付加年金に加入できません。

もう1つの加入対象である「任意加入被保険者」とは、主に以下の方を指します。

  • 60歳以上65歳未満の方で、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていない、または満額の年金を受け取れない方
  • 20歳以上65歳未満で、海外に居住している日本人

任意加入被保険者は、年金の受給資格を得るため、または受給額を増やすために国民年金に任意で加入しており、この場合も付加年金を納付することができます。

留意点として、「保険料の全額免除、一部免除、納付猶予または学生納付特例を受けている方」や「国民年金基金に加入している方」は加入の対象外となるため、覚えておきましょう。

では、付加年金に加入した場合、年金受給額はいくら増えるのでしょうか。

次章にて、納付期間別の増額シミュレーションをみていきましょう。