8月23日に発表された2024年7月分の消費者物価指数は、前年同月比で2.8%の上昇となり、3ヵ月連続での伸び率拡大となりました。

食料や生活用品などを含め、私たちの身近にあるモノの値段が大きく上昇しており、家計に与える影響が大きくなっています。

内閣府の調査によると、経済的な暮らし向きについて「心配がある」と感じている65歳以上の方は、全体の3割以上いるとのこと。

今回は、60歳代の貯蓄事情や年金の受給額に加え、記事の後半では収入が少ない場合に受けられる支援制度について紹介します。

1. 65歳以上の68.5%が「経済的な心配はない」

内閣府「令和6年版高齢社会白書」によると、「家計にゆとりがあり、まったく心配なく暮らしている」または「家計にあまりゆとりはないが、それほど心配なく暮らしている」と回答した方の合計割合が68.5%となっています。

65歳以上の経済的な暮らし向き

65歳以上の経済的な暮らし向き

出所:内閣府「令和6年版高齢社会白書」

経済的な心配がない方は、十分な年金をもらっているか、年金以外の収入源を持っている、もしくは現役時代に貯蓄や資産運用などを行い、ある程度の金融資産を有しているのでしょう。

その一方で、全体の3割以上が経済的に不安を感じています。

物価高によって家計の負担が増えていることもあり、年金収入だけで生活するのが難しい世帯もあることでしょう。

年金収入が少なく、年金以外の収入がない場合は、自らの金融資産を取り崩して生活しなければなりません。

では、60歳代の方々はどのくらいの貯蓄があり、どのくらいの年金収入を得ているのでしょうか。