転職活動において、自分のスキルを客観的に証明する手段として役立つのが資格です。例えば履歴書の資格欄に基本情報技術者と記載されていれば、人事担当者は「基本的なPCスキルは持っているな」と判断するでしょう。

自分が希望する職種・業種に合った資格を取得することは、転職で強みになる可能性が高いです。

では、転職で役立つのはどのような資格でしょうか。今回は、ジャンルごとに転職に有利な資格を紹介するほか、知っておくと役立つハローワークの資格取得支援サービスについても紹介します。

目次

1. 資格を取ると転職にどんなメリットがあるか
2. スキルをアピールするのに役立つ「ITやパソコンの資格」
3. 取得すると業務で役立つ「ビジネス系の資格」
4. 実生活に役立つのが魅力!「医療系の資格」
5. センスを活かせる!「クリエイティブな仕事に役立つ資格」
6. 女性必見!「ライフスタイルを向上する資格」
7. おわりに

資格を取ると転職にどんなメリットがあるか

転職において、資格を取得するメリットは次のようなことがあります。

転職で有利になる

職種によっては、書類選考や面接でも資格を持っているかどうかがチェックされます。資格所持者は一定のスキルがあるとみなされるため、業務に関係がある資格であれば、転職活動で有利になることが多いです。

キャリアアップができる

資格取得はキャリアアップにも役立ちます。将来希望する仕事があるときには、その業界で必要とされる資格を取得することで新たなキャリアを築くことができます。また、管理職などを目指す場合にも、資格取得が有利になる可能性があるでしょう。

専門的な知識が身につく

資格取得のための学習を通じて、さまざまな専門的知識を身につけることができます。業務に直結する知識ではなくとも、長期的に見ると、いろいろな形で活用できる場合があります。

過去に取得した資格が、思いがけないときに役立ったといったケースもあります。また、選べる職種を増やす目的で、資格取得にチャレンジする方も見られます。

スキルをアピールするのに役立つ「ITやパソコンの資格」

オフィスワークではパソコンは必須です。次のような資格を取得すると、通常のオフィスワークでもスキルをアピールできる可能性があります。

ITパスポート


ITパスポートとは、情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験です。取得することでITに関する基本的な知識を取得していることを証明できます。IT系の企業はもちろん、どんな業種であってもITスキルは重要なので、就職活動中の学生からも注目されている資格です。

基本情報技術者

基本情報技術者も、ITパスポートと同様にIPAが実施している国家試験です。プログラマーやエンジニアにとって基本的な知識を問う試験です。

MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)

MOSとは、WordやExcelといったマイクロソフトオフィス製品の利用スキルを証明する資格です。Word、Excelのほか、PowerPoint、Access、Outlookの科目があります。オフィス製品はあらゆる企業で使用するソフトウェアのため資格の認知度も高く、人気があります。

取得すると業務で役立つ「ビジネス系の資格」

社会人の定番とも言えるのが、ここでご紹介する3つの資格です。

簿記検定

日商簿記試験は、商工会議所が実施する検定試験です。初級から1級までグレードがあり、経理事務から公認会計士、税理士まで幅広い職種に役立ちます。2016~2018年度にかけて2級試験が大幅に改定され、より企業の実務に合った内容になっています。(※)

経理職を希望する方はもちろん、営業職や企画職でも簿記の知識は有用なので、取得しておくと有利になるでしょう。
(※参考:平成28年度以降の簿記検定試験出題区分表の改定等について:日本商工会議所)

秘書検定

秘書検定は、実務技能検定協会が実施する資格試験で女子学生からも人気の高い資格で3級から1級まであります。社会人として基礎的なビジネスマナーにはじまり、最もグレードの高い1級になると上司をサポートするために必要な上級の秘書能力が求められます。面接試験もあり、接遇のスキルを磨きたい方にもおすすめです。

FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定

FP技能検定とは日本FP協会と金融財政事情研究会の2団体が実施する国家検定で、合格するとFP技能士を名乗ることができます。

3級から1級までグレードがあり、日本FP協会実施の試験では2級以上に合格するとより上級の資格であるAFPや国際的な資格であるCFPといった資格を目指せるようになります。FP技能検定の資格を取得すれば、保険会社や自治体の相談窓口などで活躍できる可能性が生まれます。

実生活に役立つのが魅力!「医療系の資格」

医療系の資格は、再就職にも有利になるため女性からも人気があります。これら資格は社会的なニーズが高いのが特徴です。次のような資格を持っていると就職活動にも有利になるでしょう。

医療事務

医療事務の資格には、日本医療事務協会が実施する医療事務検定試験や医事コンピュータ能力技能検定試験などがあります。病院などで働く上で必要となる医療事務の基本的な知識を習得するのが、医療事務検定試験です。また、医事コンピュータ能力技能検定試験では、レセプトの作成や急速に普及している電子カルテの取り扱いについてのスキルが問われます。

この他にも複数の資格がありますので、医療機関での事務職を希望する方は、取得すると役立ちます。

登録販売者

登録販売者とは、薬局やドラッグストアなどで一般用医薬品の販売を行うことができる国家資格で都道府県が実施します。2009年の改正薬事法により新設されました。

試験では医薬品の知識をはじめ、副作用や薬害についての知識、薬事関連法規・制度などが問われます。

薬剤師

薬剤師は、調剤薬局をはじめ病院でも活躍している薬のスペシャリストです。この資格を取得するためには、大学の薬学部で専門的な知識を学び、薬剤師の国家試験に合格する必要があります。

センスを活かせる!「クリエイティブな仕事に役立つ資格」

デザインなどのセンスを活かせる職業に就きたい場合は、以下のような資格を持っていると有利になる可能性があります。

カラーコーディネータ―

全国の商工会議所などが主催しているのが、カラーコーディネータ―検定試験です。ファッションだけではなく、環境や商品といった幅広い分野が対象になります。工業デザインや商品企画などの仕事をしたいときにも、役立つ可能性があります。

色彩検定

色彩検定は、色彩検定協会が実施する資格試験です。ファッション業界でのニーズが高く、アパレル系職種に興味がある方は、取得しておくとスキルをアピールできるでしょう。

3級~1級までのグレードに加え、2018年からは「UC(色のユニバーサルデザイン)級」が新設されました。年齢や障害有無によらず誰でもが使いやすいユニバーサルデザインに対する需要は高く、今後UC級取得が有利になる職種も増えていくかもしれません。

インテリアコーディネータ―

インテリアコーディネータ―は、その名の通りインテリアデザインの資格でインテリア産業協会が実施しています。ハウスメーカーへの就職などインテリア系への転職を目指すときには、この資格を取得しておいて損はないといえます。

女性必見!「ライフスタイルを向上する資格」

女性ならではの興味やセンスを活かせるような資格も、多く見られるようになっています。以下のような資格なら、実生活でも役立てることができるでしょう。

アロマテラピー検定

アロマテラピー検定は、植物のエッセンシャルオイルの効果効能や利用法などを問う検定試験で日本アロマ検定協会が実施しています。エステサロンなどでもエッセンシャルオイルについての知識が必要になる場合があります。アロママッサージなどを行うサロンで働きたい場合は、ぜひ取得しておきたい資格の1つでしょう。

ネイリスト技能検定

ネイリスト技能検定試験は日本ネイリスト検定試験センターが実施する試験です。3級から1級まであり、2級ではサロンで接客できるレベルのスキルが認定されます。1級では上級レベルのネイリストとしてのスキルが認定されます。

野菜スペシャリスト

果物や野菜についての知識をマスターするのが、FLAネットワーク協会が実施する野菜スペシャリストの資格です。この資格では、野菜や果物の栄養だけでなく、活用法や保存方法まで問われます。介護施設や病院の仕事にも活かせる可能性があります。

ハローワークで資格取得を支援してもらう方法は?

ハローワークでは、早期の再就職を目指して職業訓練制度を行っています。簿記検定や社会保険労務士試験など人気の高い講座も開講されており、上手に利用すれば費用をかけずに資格取得が目指せます。訓練制度には2種類があります。

雇用保険の制度を利用して職業訓練を受ける

失業保険の受給資格がある場合には、ハローワークが随時募集している職業訓練を受けることができます。転職に役立つ専門スキルが無料で身につけられるのが魅力です。職業訓練はハローワークが提携する専門学校などで行われるのが一般的です。

求職者支援訓練を利用する

求職者支援訓練は、雇用保険に加入していない方が対象です。専門スキルや資格取得のサポートを受けられる点は通常の職業訓練と同じですが、求職者支援訓練の場合は一定の要件を満たせば毎月10万円の職業訓練給付金が支給されます。各専門学校までの交通費も支給の対象になっています。

参考:求職者支援制度のご案内(厚生労働省)

おわりに

転職を考えている場合には、将来的に希望するキャリアに辿りつくために有利になる資格を選ぶことをおすすめします。
条件が合えば、ハローワークのサポートを利用するという選択肢もあります。自分に合った資格を見つけて、ぜひキャリアアップに活かしてください。

LIMO編集部