5. 老後資金を適切に管理していくために
ここまで様々なデータをもとに、老後の必要資金についてみてきました。各データを参考に、皆様はどれくらいの老後資金が必要と考えておられますか。
どういう老後にしたいかや理想の老後生活は、人それぞれ生活環境や価値観が異なります。
老後は生活費だけでなく住宅、介護費用なども必要になります。具体的な目標金額を見える化することからはじめていくとよいでしょう。
理想の老後生活の支出金額を試算したうえで、現在準備できている金額はどのくらいあるのか(年金・退職金、貯蓄など)把握して、「収入と支出」のシミュレーションを行うことが大切です。
目標金額が明確になったら、次はどのような手段を使って準備していくのかを考えていきましょう。
近年ではNISAやiDeCoなどの税制優遇制度も登場してきており、個人単位での資産運用が身近なものになってきました。
まずは情報収集から始めてみて、ご自身の資産形成に合いそうな商品をピックアップしてみてください。
6. まとめにかえて
今回は65歳以上無職夫婦世帯の平均貯蓄額や1ヵ月の生活費についてみてきました。
女性や高齢者の労働参加により年金財政はやや改善してきているものの、依然として少子高齢化や物価上昇の課題は残っています。
今後も継続してご自身で老後の資金確保について考えておく必要があるでしょう。
本記事が皆さんの老後資産について考えるきっかけになれば幸いです。
参考資料
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」
- 厚生労働省「これまでの年金部会も踏まえてご議論いただきたい論点」
- 厚生労働省「国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通しー令和6(2024)年財政検証結果ー」
本多 奈都子