2.4 厚生年金と国民年金の平均月額(90歳以上)

厚生年金と国民年金の平均月額(90歳以上)

厚生年金と国民年金の平均月額(90歳以上)

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに筆者作成

  • 90歳以上:厚生年金15万8753円 国民年金5万1974円 

60歳から64歳までは繰り上げ受給の影響により低くなります。

繰り上げ受給の選択は、受給開始年齢が早まる分だけ年金額が減少するためです。

また、厚生年金の場合、65歳未満の方は定額部分のない報酬比例部分のみである「特別支給の老齢厚生年金」を受給している可能性があります。

厚生年金は国民年金に上乗せして支給されるため、厚生年金と国民年金に差があります。

厚生年金受給額と比較して差がある国民年金受給者は、付加年金やiDeCoを利用して老後の資金確保に努めましょう。

3. 政府から高齢者へ「年金生活者支援給付金」

年金生活者支援給付金は、低所得者や住民税非課税世帯を対象とした給付金です。

「老齢年金(国民年金)」「障害年金」「遺族年金」を受給している人のうち、要件を満たした人が年金に上乗せして受け取れる給付金です。

今回は「老齢年金生活者支援給付金」について解説します。

3.1 給付金額と対象者

<給付金額>

  • 保険料納付済期間に基づく額(月額)= 5310円 ✕ 保険料納付済期間/被保険者月数480月
  • 保険料免除期間に基づく額(月額)= 1万1333円 ✕ 保険料免除期間/被保険者月数480月

<支給要件>

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
  • 世帯全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額(※)とその他の所得との合計額が87万8900円以下※障害年金・遺族年金などの非課税収入を除く

老齢年金生活者支援給付金は、収入が87万8900円以下の非課税世帯の人に対して支給されます。

支給対象となった世帯には、年金事務所から書類が送られてきます。

給付額が改定された場合は「年金生活者支援給付金支給金額改定通知書」が送られてくるため、必ず確認しましょう。

4. まとめにかえて

この記事では厚生年金と国民年金の受給できる平均月額を1歳刻みで見てきました。

厚生年金は国民年金に上乗せしているため、受給金額も大きくなります。

国民年金の対象者は、厚生年金の対象者より受給する年金が少ないことを把握して老後のマネープランを検討しましょう。

国民年金の対象者は、早めに老後資金対策を検討することが重要です。

国民年金だけで不足する老後資金については、iDeCoや付加年金によって増やすことが有効な手段といえるでしょう。

参考資料

荒井 麻友子