5. 「人生100年時代」に向けた備えとは

物価上昇や円高の行方が気になるこんにち。働き盛りの現役世代の中には「将来、年金だけで暮らしていけるのか…」といった、漠然とした不安を抱く人もいるでしょう。

「人生100年時代」と言われる長い老後を安心して過ごすために、長期的な視野で準備をスタートしてみましょう。

5.1 【人生100年時代に向けて その1】資産運用を検討する

2024年に新制度がスタートした「NISA」や、自分で拠出した掛金を運用し、資産形成していく年金制度の「iDeCo」など、国の税制優遇制度を活用した資産運用を検討してみるのも一案です。

また、個人年金保険の活用も有効な手段の一つと言えるでしょう。

預貯金とは異なり、資産運用にはリスクが伴います。自分に合った運用方法で老後資産を形成していきましょう。

5.2 【人生100年時代に向けて その2】年金の繰下げ受給を検討する

一般的な年金の受給開始年齢は65歳。この受給スタートのタイミングを後ろ倒しすることで年金受給額を増やすことができます。

繰下げ上限年齢である75歳まで後ろ倒しした場合は、84%も年金額が増えます。健康状態や資産状況に合わせて検討してみるのも一案でしょう。

6. 【人生100年時代に向けて その3】健康を意識した暮らしをする~まとめにかえて~

シニアの就労を後押しする制度が整いつつあるこんにち。還暦を過ぎても働き続ける人は増えています。とはいえシニアの就労は健康面との相談が必要になる場面が増えるでしょう。

働き盛りの現役世代のうちから健康を意識した生活を送ることは、老後のライフプランを大きく左右するかもしれませんね。

長く元気に働き続けるためのスキルアップや体力づくりは、資産づくりと同じく一朝一夕で叶うものではないでしょう。じっくりコツコツと積み重ねることが大切です。

7. 【ご参考】年金に関する疑問や不安を解消!よくある質問を解説

年金に関する疑問や不安を解消!よくある質問を解説

年金に関する疑問

出所:厚生労働省、日本年金機構などの各種資料をもとにLIMO編集部作成

日本の公的年金制度は複雑で、多くの人がさまざまな疑問を抱えていることでしょう。ここでは、年金に関するよくある質問を取り上げ、その解答を解説します。

7.1 年金の主な種類と仕組みは?

日本の公的年金は「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造になっています。

国民年金は日本国内に住む20歳以上60歳未満の全ての人が加入する基礎年金で、厚生年金は会社員や公務員が加入するものです。
国民年金は一定の保険料を納付し、将来の年金額が決まるのに対し、厚生年金は収入に応じた保険料を支払うため、将来の受給額にも差が出ます。

7.2 「繰下げ受給」とはどんな制度?

年金の受給開始年齢を遅らせることで、受給額が1カ月につき0.7%増える「繰下げ受給」があります。

例えば、65歳から受給を開始する予定を75歳0カ月まで繰り下げると、84%増額となります。これは、長期間働くことができる人や、他の収入源がある人にとって有利な選択肢となります。

7.3 年金を増やす方法はあるのか?

年金を増やす方法はいくつかあります。自営業やフリーランスの方は、国民年金の付加保険料を支払うことで、将来の受給額を増やせます。

また、厚生年金に加入する働き方に切り替えることも一つの方法です。

さらに、老後資金を増やすという意味では、投資信託やiDeCo(個人型確定拠出年金)などを利用して、自身で資産運用を行うのも選択肢です。ただし、運用にはリスクがあることに注意が必要です。

参考資料

西村 翼