貯蓄を始めている投資家の平均年収はいくらか

貯蓄は必ずしも貯金ではない

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「貯蓄」と「貯金」の意味が異なるのはご存知でしょうか。「貯蓄」にはリスク資産でもある有価証券への投資も含まれます。今回は日本証券業協会が2018年1月に発表をした「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告」から有価証券投資をしている投資家のプロファイルに迫ります。

「貯蓄」はリスク資産への投資を含んでいる

総務省によれば「貯蓄」とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計を言います。

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「貯蓄」には「貯金」、「預金」といった安全資産だけではなく、有価証券などのいわゆるリスク資産も含まれていることに注意が必要です。表現としてはどちらかというと「金融資産」という方が近いかもしれません。

投資家の年収プロファイル

同調査は、全国の個人投資家(20歳以上)の5073人にアンケートを実施。株式、投資信託、公社債のいずれか、もしくは複数保有している層に対して行った調査です。

その中で、同調査による推定の平均年収は533万円。また、年収300万未満が全体の約35%、300万円以上500万円未満が約24%と、約60%が年収500万円未満ということがわかりました。

また、国税庁による調査で2016年の日本のへ給与所得者の平均給与は約420万円を超える水準であることを考えると、日本の平均的な給与所得者の層がすでに有価証券への投資、つまり「貯蓄」を始めているということがいえます。

同調査の回答者の年収レンジと割合については以下の通りです。

  • 300万円未満:34.9%
  • 300万円以上500万円未満:23.7%
  • 500万円以上700万円未満:16.3%
  • 700万円以上1000万円未満:14.9%
  • 1000万円以上:10.1%

投資家の年齢プロファイル

年収に加えて同調査の年齢層も確認しておきましょう。

  • 20から30代:8.6%
  • 40代:22.0%
  • 50代:31.4%
  • 60~64歳:13.6%
  • 65~69歳:14.6%
  • 70歳以上:9.8%

有価証券投資というと年齢層が高めのイメージがありますが、同調査では決してそうではないことが分かります。会社勤務の方は定年退職の年齢などが年収の水準に関係するかもしれません。ただ、20から50歳代の投資をされている層と年齢水準をみると、仕事に就いていて貯蓄をはじめられている世代の比率も決して少なくなさそうです。実際に、60歳未満の層は約60%程度あります。

まとめにかえて

こうしてみると、預貯金や有価証券への投資を含む「貯蓄」は年収に関わらず、また年齢的に現役層でもしっかりと始められていることが分かります。

総務省の調査である「家計調査報告」[貯蓄・負債編]では、40歳代の貯蓄現在高は10年前と比較すると減少していましたが、「預貯金には取り組んでいるけれども運用はまだだ」という人も多いのではないでしょうか。

一方で、今後は資産運用にに取り組むことで貯蓄の状況を改善をしていきたいと考えている人も多いのではないでしょうか。「実りある貯蓄」を目指す層は決して薄くはなさそうです。

参考記事:「貯蓄は40歳代で平均でいくらあるのか」

青山 諭志

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執筆者

慶應義塾大学卒業後、国内大手及び外資系大手金融機関に合わせて10年以上勤務し、株式市場を中心にマーケット関連の仕事に従事。その後独立。金融機関では主にアナリストとして企業や産業調査活動に従事。調査内容としてはミクロ・セミマクロが主な分析対象だが、好きなのはマクロ分析。記事で取り扱うテーマはマーケット、企業分析といった株式市場関連の分析や貯蓄といった個人の資産運用(パーソナルファイナンス)を取り扱う。最近は「富の分配」問題や「お金持ち」である富裕層研究にも時間を割いている。その他に興味のある分野はブロックチェーン技術とゲノム(ジーノム)。Twitter:SatooshiX