原則65歳になれば、その後一生涯もらえる安定的な収入である老齢年金。

老後、自身の年金はどのくらいもらえるのか気になっている方は多いのではないでしょうか。

年金は老後生活において収入の大きな柱となりますが、それだけで十分だと読むのは、少々危険かもしれません。というのも、もらえる年金額は物価上昇に追いついていかないという弱点があるからです。

今回はシニア世代(70歳~89歳)にフォーカスをして、年金の受給額について見ていきたいと思います。

【注目記事】【低所得者・年金世帯への10万円給付開始】住民税非課税世帯に該当する所得目安はいくら?給付金申請の提出期限は秋ごろか

1.【日本の年金制度】「国民年金」と「厚生年金」のしくみ

日本の公的年金は「国民年金」と「厚生年金」の2つの制度があります。国民年金(基礎年金)の上に厚生年金が位置することから「2階建て」とも言われています。

【写真1枚目/全6枚】日本の公的年金制度は「2階建て」の仕組み

【写真1枚目/全6枚】日本の公的年金制度は「2階建て」の仕組み

出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和5年4月)厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成

年金の基礎部分となる1階「国民年金」は、原則、日本に住む20歳から60歳未満の方が加入する年金です。

2階部分にあたる厚生年金は、主に、会社員や公務員などが、国民年金に上乗せする形で加入します。

国民年金は、加入期間となる40年間(480カ月)の保険料納付状況により、老後の年金額が決定します。ちなみに2023年度の新規裁定者(67歳以下)は、6万6250円(月額)が満額です。

厚生年金は、現役時代の加入期間と報酬により厚生年金部分の年金額を決定し、国民年金に上乗せして支給となります。

このような制度の仕組み上、厚生年金は国民年金よりも受給額が高い傾向にあります。

では、いまの70歳~89歳のシニアは、実際に「厚生年金・国民年金」をどのくらい受け取っているのでしょうか。年代別に平均受給月額を見ていきましょう。