5.2 ②NISAなどでの資産運用
NISAなどを活用した資産運用も、これからの時代に必要な手法の一つです。NISA(少額投資非課税制度)は少ない金額から投資が始められ、運用益が非課税で受け取れます。失敗するリスクを減らしながら投資を始められる点や、通常約2割かかる税金の負担がない点は、NISAの大きなメリットです。
NISAは2024年から新しい制度がスタートし、運用している金融商品は生きている限り恒久的に非課税で持ち続けられるようになりました。より長期的な投資がしやすくなり、老後も資産運用が可能となりました。
投資で運用した資産は「インフレに強い」という特徴もあるため、今後さらに物価が上昇したり円安になったりしても、資産価値が落ちにくくなります。「4000万円の老後資金」を貯めるには、投資はもはや必須の手法ともいえるでしょう。
6. まとめにかえて
現代のシニア世代の平均貯蓄額は、かつて必要とされていた「2000万円」に届かない金額でした。特に資産を多く持つ人と全く持っていない人の割合が増えており、両者の格差は今後ますます広がる可能性があります。
十分な老後資産を備えられないと、せっかくの老後生活を満足に楽しめません。リタイア後も不安なく自由に暮らせるよう、年金の上乗せや資産運用などで、現役のうちから老後資産を備えておくことが重要です。
参考資料
- 総務省統計局「人口推計- 2024年(令和6年)6月報-」
- 総務省統計局「労働力調査(基本集計)2023年(令和5年)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」
- 厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」
- 厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」
- 金融庁「NISAを知る」
石上 ユウキ