今年も夏休みの季節が終わりました。多くの方が旅行や帰省を楽しんだのではないでしょうか。
観光庁が発表した「訪日外国人旅行者数・出国日本人数」によると、2022年の海外渡航者が277万人なのに対して、2023年は962万人と、1年で約3.5倍に増えました。
コロナで自粛していた人が多い中、徐々に旅行をする人が増えてきたことがわかります。
一方で、インフレが進む中、旅行をするのもお金がかかる時代になってきました。海外はもちろんですが、国内も物価上昇により色々と値段が上がっています。
老後生活になると主な収入は年金になりますが、老後を迎えている人たちはどのくらい年金を受給しているのか気になる人も多いでしょう。
今回は老後の大事な収入源になる年金を60歳代、70歳代、80歳代の人たちが平均でどのくらいもらっているのか見ていきたいと思います。
1. 国民年金・厚生年金のしくみとは
公的年金制度には国民年金と厚生年金がありますが、まずは年金制度のしくみを押さえておく必要があります。
2つの制度はわかれているのではなく、下図のように「2階建て構造」となっています。
1.1 国民年金(1階部分:基礎年金)
- 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
- 保険料は一律(年度ごとに改定あり)※2024年度は月額1万6980円
- 保険料の納付期間に応じて将来もらえる年金額が決まる※2024年度の満額は月額6万8000円
1.2 厚生年金(2階部分)
- 公務員やサラリーマンなどが国民年金に上乗せして加入する
- 毎月の給与や賞与などの報酬に応じた保険料を支払う(上限あり)
- 加入期間や保険料の納付額に応じて計算され、国民年金に上乗せして支給される
つまり、「国民年金だけに加入し、将来は老齢基礎年金のみをもらう人」と、「国民年金と厚生年金に加入し、将来は老齢基礎年金と老齢厚生年金をもらう人」にわかれることがわかります。
かつては公務員が加入する共済年金もありましが、現在は厚生年金に統一されています。
では、現代のシニアはそれぞれの年金をどれほど受給しているでしょうか。
厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、国民年金と厚生年金(国民年金を含む)の平均月額を確認しましょう。
わかりやすいように、60歳代~80歳代までの1歳刻みで紹介します。