日経平均は足踏みか。米国の保護主義的な貿易政策が攪乱要因

2018年6月29日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より34円12銭高の22,304円51銭となりました。

米中の貿易戦争の激化が懸念され、売りが広がる

先週も依然として、米中の貿易戦争の激化が懸念されたことから、世界の株式相場が軟調な展開となりました。週初25日は、米トランプ政権がハイテク製品の対中輸出や中国による対米投資の制限などを検討していると伝わり、日本株も機械や自動車など輸出関連株を中心に売りが広がりました。26日は大引けでは小幅に反発したものの、一時は200円超下げる場面もありました。その後週末にかけては円相場などに応じて上下する動きもありましたが、総じて積極的な売買は少なく、値幅も大きくありませんでした。

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日経平均の今週からの動きはどうなるでしょうか。引き続き、トランプ政権の保護主義的な通商政策には注視する必要がありそうです。29日には米国のニュースサイトが、トランプ大統領が世界貿易機関(WTO)からの脱退を望んでいると伝えました。これに対してムニューシン財務長官は直ちに否定し、その後トランプ氏も否定しました。ただし、米中間選挙を前に、トランプ氏が今後さまざまな強硬な政策を打ち出してくることも考えられます。

トランプ氏の言動は原油市場にも影響を及ぼしています。トランプ氏は、原油高の原因は協調減産を続ける石油輸出国機構(OPEC)にあると批判する一方で、イラン産原油を輸入しないよう各国に要請するなど、米国優先の政策を進めようとしています。イランと友好的な中国は禁輸を拒否する姿勢で、こちらでも米中の通商摩擦がくすぶります。

今週は7月6日に米国が中国製品に対する追加関税の第1弾を発動する見通しです。同日には6月の米雇用統計も発表されます。先週は、東証1部の売買代金が2兆円をやや超える程度と低水準の日が続きました。流動性が低くなると、トランプ氏の言動など外的要因に応じて急な値動きになりやすいので注意したいところです。

一時、200日線を割り込むが下値では押し目買いも

先週の動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。週初25日には、窓をあけて上昇して寄りついたものの25日移動平均線で上値を押さえられるとそこから陰線となりました。翌26日は窓をあけて下落し、75日線も割り込みましたが、引けにかけては75日線に下支えされました。

28日には一時、200日線も割り込みましたが、これも下値では押し目買いが増え、200日線、75日線ともに回復しています。

短期では下降、中期では上昇トレンドで方向感出しにくい

今後の動きはどうなるでしょうか。現状はローソク足の実体が短くなっており、方向感の判断が難しいところです。

6月20日の安値(22,167円)を割り込んだことで、短期的には6月12日の高値(23,011円)を戻り高値とする下降トレンドラインが形成されました。ただし、5月30日の安値(21,931円)を割り込まなかったことから、ダブルトップまでは形成されませんでした。その点では、中期的にはまだ上昇トレンドの中にあります。

現状の価格あたりには目先の節となる22,000円や75日線、200日線などが集中していることから下値支持ラインになりやすいところです。下げ止まりへの期待から押し目買いを狙ってもいいでしょう。ただし、先週の安値である28日の22,038円を下抜けるようであれば注意が必要です。

上値めどは6月12日の高値(23,011円)や、5月21日の高値(23,050円)、目先の節である23,000円などになるでしょう。ただし、積極的に買いに行ける材料も少ないことから、しばらく22,000円と23,000円の間でもみ合うことも考えられます。

下原 一晃

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下原 一晃

マーケティング会社、リクルートなどを経て、PRプランナー・ライターとして独立。
株式投資、投資信託をはじめとする資産形成や、年金、相続などに関する情報提供を行っている。あわせて、個人投資家がテクニカル理論を身に付けるためのヒントや知識の紹介にも取り組んでいる。
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA)。