長期で資産形成をするために「実りある貯蓄」をとお考えの方で、「個別に日本株に投資をするのはまだ怖くてできないけど、投資信託ならできそう」とお考えの方もいるのではないでしょうか。今回は運用会社出身者によるおすすめの投資信託の買い方についてみていきましょう。

「販売手数料」無料、「信託報酬」が安いに越したことはない

インデックスファンドが好みの方は販売手数料(購入者から見れば買付手数料)が無料(ノーロード)、信託報酬が安いのに越したことはないというのは理解されていると思います。

もっとも投資信託を購入する際に、「自分がこれから投資をする資産に対して市場平均並みのパフォーマンスでよい、もっとも市場平均に負ける方がいやだ」という層には間違いなくインデックスファンドが最適でしょう。これは疑いようがありません。

インデックスファンドであれば、最近の加熱した販売競争の中でノーロードは当たり前ですし、運用会社による信託報酬の値下げ競争もありました。インデックスファンドの個人投資家はその恩恵に全力であずかればよいと思います。ただ、どの資産のインデックスファンドを選べばよいかという問題は残ります。日本では意外にこの議論が進んでいないのが不思議です。

アクティブファンドに何を求めるのか

もっとも販売手数料が高い、信託報酬が高いとインデックスファンドに対してやり玉にあがりがちなアクティブファンドですが、アクティブファンドを保有するメリットは以下の通りです。

  • 普通では投資できない資産が含まれている(新興国株式や債券など)
  • 自分にはできない機動的な運用管理をしてくれる
  • 市場平均では実現できない驚くようなパフォーマンスを上げてくれるだろうと期待できる

以上の3点です。

それぞれをさらにかみ砕くと、以下の通りです。

  • 投資アクセスの有無
  • メンテナンスの手間
  • プロフェッショナルへの期待

アクティブファンドを批判する人に多いのは3つ目の「プロフェッショナルに期待したが、結果裏切られた」人たちが多いのではないでしょうか。もしそうだとすれば大変残念なことです。確かに、株式市場ではプロといっても必ずしも勝てるわけではありませんし、毎年勝てるというのを事前に約束することはできません。

ただ、都度設計される投資信託の良さをあげておくとすれば、個人投資家がアクセスしにくい投資案件や投資機関にアクセスしやすい環境を準備してくれたり、機動的に売却をしてキャッシュポジションを作ってくれたり、銘柄を入れ替えてくれるということです。それが運用会社が投資家に提供できる商品であり、サービスです。この理解が進むと投資家自身の選択肢も増えるのではないでしょうか。

インデックスファンドの持ち方

資産をたくさんお持ちだという方は、「資産を守りたい」という視点があるので、株式、債券、REITなどを分散させてもって起きたいという人もいるかもしれません。

ただ、これから長期で資産形成を継続的にコツコツ進めるのであれば、資本市場との向き合い方はシンプルでよいと思います。世界経済の成長は止まらないと考えるのであれば、世界株式のインデックスファンドの投資信託を(どの運用会社も一つは商品として揃えているくらい人気のカテゴリーです)、それこそ経済環境や市場環境が雨の日も晴れの日も積み上げて行けばよいと思います。

ETFの方が経費が安くてよいという意見もありますが、価格を気にしたり、流動性を気にしたりすることを考えれば、便利さという点でいえば投資信託が使い勝手が良いです。

最後に、TOPIXや日経225のインデックスファンドも人気ですが、日本株式は残念ながら循環株です。安くなったら購入し、高くなったら売るというのがプロ投資家でも共通に認識されていることです。持ちっぱなしというスタンスをお持ちなら世界株式の方がよいのではないでしょうか。

LIMO編集部