3.2 年金の受給額を増やす

年金の受給額に差が出やすいのは、現役時代の収入と加入期間に左右される厚生年金です。

長く働くほど年金の受給額を増やすことができるので、可能であれば60歳以降も長く働くことを検討しましょう。

ただし、長く働くには精神的かつ身体的に健康である必要があるので、体調管理には気を使わなければなりません。

また、国民年金の「付加年金」も選択肢の1つです。月400円の付加保険料を納付することで、将来「200円×付加保険料納付済月数」の付加年金が上乗せされます。

資金に余裕がある場合は、公的年金に上乗せする形で確定拠出年金(企業DC、iDeCo)に加入するのもよいでしょう。

3.3 資産運用を行う

元本が保証された預貯金で貯蓄するのもよいですが、現在の預金金利では資産を増やすことができません。

むしろ、昨今の物価上昇率を加味すれば、お金の価値が相対的に低下している状況です。

そのため、リスクをとってでも投資による資産形成を行う必要性が高まっています。

NISA(少額投資非課税制度)を活用した積立投資などを視野に入れ、運用益を狙うことも検討しましょう。

4. まとめにかえて

60歳代になると退職金や企業年金を受け取る方がいることもあり、50歳代に比べて貯蓄2000万円以上を有する世帯の割合が高い傾向にあります。

しかし、全く貯蓄できていない世帯も少なからずあるのが現状であり、50歳代・60歳代ともに全体の2~3割は「金融資産非保有」です。

貯蓄に回す余裕がないなど、各家庭に事情はあると思いますが、いずれ迎える老後に向けて「何もしない」というのはとても不安なことではないでしょうか。

老後に向けてできることはないかを考え、少しずつでも準備を始めていきましょう。

参考資料

加藤 聖人