4. 時代に合わせた働き方&資産運用を
定年を迎えた後、毎月15万円収入を得るのは現実的ではないですよね。
「自分はもう少し節約する」とは思っていても、年金のみでは必要最低限の生活費でさえ赤字です。
また、現役世代がもらえる年金額は、今より減る可能性もあります。
年金のみでは毎月赤字となると不安ですが、今から対策できることはあります。
まずは「一般家庭」の定義が、今の現役世代がシニアになる頃には変わるでしょう。
内閣府の「令和2年版男女共同参画白書(概要)」によると、令和元年の共働き世帯は1245万世帯に対し、専業主婦世帯は582万世帯。
現代は共働き世帯が主流となっています。
夫婦ともに会社員であれば、受け取れる年金は26万7929円。
最低限の老後生活費用はカバーできます。
パートであっても、2016年10月から従業員500人を超える規模の会社では、一定要件を満たせば厚生年金に加入できるようになりました。
2017年4月からは500人以下で労使合意に基づき申し出をする企業に、2022年には従業員数100人超規模の企業、2024年には従業員数50人超規模の企業で、一定要件を満たせば加入できます。
老後を見据えて、働き方を変えることも大切です。
同時に行いたいのが、貯蓄はもちろん、それ以外の方法で老後資金を準備することです。
たとえば保険や投資信託などで資産運用を行う必要はあるでしょう。
ただし投資というと、「よくわからない」「リスクが怖い」というイメージがありますよね。
そういった方に向いているのが、最近はじめる人が増えている「つみたてNISA」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」です。
少額から投資を始めることができ、税制優遇制度もあるため、投資の一歩として利用しやすいでしょう。
投資には常にニュースを見て頻繁に売買をするイメージもありますが、つみたてNISAやiDeCoは少額でコツコツ買い続け、長期保有するのが基本です。
5. 数十年先のことだからこそ相談も
老後は数十年後の話ですから、対策をしていても「本当にこれでいいのかな?」という迷いも出やすいですよね。
老後に収入を得る方法もありますが、病気や社会情勢の変化など、長い目で見れば何があるかはわかりません。
今のうちからきちんと対策をとりましょう。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和元年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 公益財団法人生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/令和元年度
- 内閣府男女共同参画局「令和2年版男女共同参画白書(概要)」
- 日本年金機構「令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」
- 日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」
宮野 茉莉子