はじめに
一流と呼ばれる人の仕事は、どこが違うのでしょうか。ビジネスマンにとって、一流と称されることは、非常に喜ばしいことです。
この記事では、これからプロジェクトリーダーを経験するビジネスマンや、部下や後輩を指導する機会が多くなる中堅サラリーマンのために、一流の意識や、一流と呼ばれる人の仕事のスタイル、一流になるために欠かせないポイントについて紹介していきます。
目次
1. まずは一流とは何かを知ろう!
2. 一流と呼ばれる人の行動特性とは?
3. 一流と呼ばれる人になるために欠かせない習慣とは?
4. 一流と呼ばれる人の仕事の共通点
5. あらためて一流と二流の違いを考えよう!
6. 一流の仕事をするために習慣づけたいこと
7. これから始めたい、一流ビジネスマンになるためのポイント
1. まずは一流とは何かを知ろう!
一流とは、その分野で一等の場所や立場にいることを意味します。一流企業、一流ホテル、一流旅館・・・。一流がつく言葉を並べてみると、確かに特別な感じがします。
しかし、企業やホテルであれば、なんとなく「どういうものが一流なのか。」といったことは想像がつきますが、「一流の人」というと、「さて、何をもって一流?」と首をかしげる人も多いのではないでしょうか?
では、ここで、巷でいわれている「一流の人の行動」について、具体例を見てみましょう。
・事務や雑務を頼まれたら・・・
二流はいわれたことをしっかりとやる。一流は関連した雑務も済ませてしまう。
・上司に報告をするときは・・・
二流は事実だけを報告する。一流は事実を報告したあと改善策も提案する。
・営業をするときは・・・
二流は目の前の客に確実に売る。一流は売るだけでなく将来の客も確保する。
・接客応対をするときは・・・
二流は相手の要求にそつなく対応する。一流は相手の隠れたニーズも引き出す。
こうしてみると、一流の人の行動とは、その場だけをうまく乗り切るのではなく、特に頼まれていなくても、必要と思われることは先読みして済ませてしまう、ということのようですね。
先を読む力は、「物事の本質を見抜く力」に通じます。物事の本質には、単に理想的な正解だけではなく、その裏に隠れた要求や要望が含まれます。本質を見抜くには、豊富な知識や経験、技術、さらには状況なども考慮し、隠れたニーズを読み取ることが必要なのです。
この「物事の本質を見抜く力」が、一流の人には備わっているのでしょう。
2. 一流と呼ばれる人の行動特性とは?
一流の人の行動例から、「物事の本質を見抜く力」を持っている人こそが一流の人ではないか、という話をしました。では次に、一流と呼ばれる人に共通してみられる行動特性について考えてみましょう。
自分の立場や役割をしっかりと理解している。
一流と呼ばれる人は、周囲との関係や立場といった全体の状況から必要とされる行動を判断し、優先的に進めていくことができます。このため一流と呼ばれる人は、自分が必要とされる状況をとてもよく把握しているといった行動特性を持つといえます。
失敗を恐れないタフさを持ち合わせている
一流と呼ばれる人も失敗をしないわけではありません。しかし、一流と呼ばれる人の場合は、結果が失敗に終わったとしても、評価を落とすのではなく賞賛されることも珍しくありません。なぜなら、全体の状況から判断しできる最善策を尽くしたうえでの失敗なので、周囲も納得できる結果であることが多いからです。失敗を恐れず、前向きに挑んでゆくタフな姿勢も一流と呼ばれる人の行動特性であるといえるでしょう。
高い目標を設定し、継続的に努力を続けている。
全体の状況を判断するためには、それを裏付けるための知識や経験・技術が必要となります。一流と呼ばれる人は、これらを身につけるために高い目標を設定し継続的に努力を続けることもまた、一流と呼ばれる人の行動特性であるといえるのではないでしょうか。
柔軟さのある振る舞いで全体をまとめることができる。
一流と呼ばれる人は、人間関係から生じる問題の多くが、優先するべき物事の本質とはかけ離れていると知っており、同時に人間性の大切さにも気がついています。このため、本質を伴わない争いや人間関係のしがらみに深く関わりすぎることがありません。また、彼らは個人でできることの限界を知っているため、相手の人間性を批判することは好みません。これらのことから、一流と呼ばれる人の行動特性として、相手の人間性を損なうことなく、絨毯な態度で全体をまとめていくことができるという点もあげられます。
3. 一流と呼ばれる人になるために欠かせない習慣とは?
では、一流と呼ばれる人は、普段の生活の中で、どのようなことを習慣づけているのでしょうか?
全体を見渡すようにする。
一流と呼ばれる人は、全体の大きな流れを踏まえたうえで行動をします。そして、全体を見渡すことができるからこそ、安易に「なんでもいい」という結論はだしません。
ときには、一流と呼ばれる人でも、仕事に遊び心を入れることがありますが、しっかりと全体を見据え、流れをコントロールしながらのことなので、周囲の人が、不快に感じるようなことは、まずありません。
自分の限界を理解し、努力を怠らない。
一流と呼ばれる人は、自分の限界を知っています。どんなにすごい人でも、1日は24時間しかなく、肉体を2つや3つに分けることはできません。ときに誰かの手を借りることや、チームとして取り組むことが必要です。ですから、一流と呼ばれる人は、決して独りよがりな行動はしないでしょう。
ただし、一流と呼ばれる人は、知識や経験、技術といった、自身の努力や日頃の取り組みで修得できることについては、非常にどん欲であることが多いです。
前に進むために大切なことをしっかりと考えようとする。
一流と呼ばれる人は、すべてを自分だけですますということはありません。また、すべてをメンバーに頼るということもしません。自分が中心になってメンバーを動かすこともあれば、自分は前面に立たず、メンバーのサポートに回ることもあります。これは、前に進むために大切なことをしっかりと考え、自分の努力で補わなければいけない部分と仲間や組織の力を借りる部分を効果的に切り替える習慣が身についているためです。
4. 一流と呼ばれる人の仕事の共通点
一流と呼ばれる人の仕事は、不思議と安定感があります。ビジネスプランに無理がなく、参加する誰もが安心して加わることができます。一流と呼ばれる人が率いるプロジェクトは、いくつか難所となるポイントが、かなり早い段階で把握され、その対処法が練られています。だからこそ、参加メンバーは計画的に作業でき、普段以上に質の高い結果を残すことが可能です。
簡単な例で考えましょう。例えば、上司からコピーを依頼されたとします。目の前の仕事をクリアーしたい二流の人は、指示された仕事内容をミスしないようにしっかりとこなします。一方、一流と呼ばれる人は、コピーされた書類が会議で使うものと分かれば、コピーした書類の束を個別にクリップで留め「会議資料」として仕上げます。上司の立場からみると「会議で使うから取りまとめておいて」と指示する手間が省けるのです。場合によっては、会議室の予約まで済ませておくと、さらに仕事がはかどることでしょう。
一流と呼ばれる人の仕事に共通するのは、いつも同じパターンで目標を設定していないことです。もちろん、目標を設定することで役割や分担がつかみやすくなるのは事実です。しかし、状況によっては目標にとらわれすぎることで全体の動きが悪くなったり、結果を出せなくなったりすることもあります。そこで、一流と呼ばれる人は「目標は、あくまで方向性を見出す指針」と割り切り、状況や場面に応じて微調整を加えながら最終的なゴールへとたどり着こうとするのです。
5. あらためて一流と二流の違いを考えよう!
先ほどのコピーの例からもわかるように、目の前の作業に没頭してしまう二流の人に対し、一流と呼ばれる人は、全体を見渡すことを優先しています。これは、二流の人は自らの知識や経験を重視し、一流と呼ばれる人は結果を重視するためです。
また、二流の人は、黙々と作業に取り組んだ姿勢を評価してほしいと考える傾向があります。その結果、目の前の仕事に精一杯となって、最終的な成果を軽視しがちになることもあります。しかし、一流と呼ばれる人は、常に全体を見渡して行動するので、プロジェクトが順調ではないとわかったときは、まずは人的な不足なのか専門性の欠如なのか等々、原因を探り、その解決策を考えます。そして早めに上司やメンバーに問題提起をしますから、プロジェクトが失敗に終わるということが少ないのです。
一流と呼ばれる人と二流の人では、集中力の使い方にも差があります。二流の人は、単に目の前の作業に集中力を向けるのに対し、一流と呼ばれる人は、メンバーの配置や作業手順といった、プロジェクトの山場や重要なポイントで流れを変えることに集中力を向けます。
とはいえ、一流と呼ばれる人と二流の人を個々に比べても不思議と差が感じられないこともあります。しかしプロジェクトが大きくなり、多くの人がかかわるようになってくると、細かな点で差が感じられるようになります。これは、一流と呼ばれる人が全体的に物事を見て様々なことを調整しているからにほかなりません。
一流と呼ばれる人と二流の人では目指している場所が違う、ということなのでしょう。
6. 一流の仕事をするために習慣づけたいこと
一流と呼ばれる人がする仕事は、やはり一流の仕事です。一流の仕事は失敗が少ないだけではなく、時にきめ細かく、時に大胆であることも特徴です。これは、一流と呼ばれる人が自分の限界を知ったうえで確かな知識と経験を活かして仕事に取り組むからこその結果といえるでしょう。
逆をいえば、一流の仕事の積み重ねが一流と呼ばれる人を作るのです。一流の仕事をするために、まず仕事に取り組む習慣を見直すことから始めましょう。
「誰にとって役立つか」を考えながら仕事に取り組む。
仕事をする際に「今行っている仕事は、誰にとって役立つのか。」を考えるようにしてみましょう。このようにすることで隠れたニーズを引き出し、より高いニーズに応えられるようになります。ひいては自分の可能性を高めことにもつながるのです。
チームや組織を大切にする。
チームや組織を大切にし、しっかりと向き合うことで、チームや組織のために必要な仕事やメンバーひとりひとりに、どのように役割を持たせたら最大限の効果を得られるのか、といったことが見えてくるようになります。これは、いずれ、組織をまとめる力へとつながります。
「このぐらいでいいだろう。」と妥協しない。
「このぐらいでいいだろう。」という気持ちがあると、それ以上の成果はあがりません。また、妥協を繰り返すことで、会社内で成長が見込めなくなるばかりか、結果的に自分自身の居場所さえも失うことにもなりかねません。努力もしないうちから、適当なところで折り合いをつけてしまわないように、気をつけましょう。
これらは、一流と呼ばれる仕事をするために習慣づけておきたいことの、ほんの一部でしかありませんが、できれば、部下や後輩ができるまでには、これらの習慣を身につけておきたいものです。
7. これから始めたい、一流ビジネスマンになるためのポイント
一流の仕事の積み重ねが一流と呼ばれる人を作るというお話をしました。これがビジネスマンであれば、一流ビジネスマンということになります。せっかく仕事をするからには一流の仕事をして、一流ビジネスマンを目指しましょう。
以下、一流ビジネスマンになるためのポイントを格言風にまとめてみました。
ポイント1:与えられた役割を理解せよ
一見すると同じ内容の仕事だったとしても、依頼者が求めていることがいつも同じとは限りません。同業他社と一緒に仕事をする場合と異業種からの依頼とでは、仕事の目標も仕事の進め方も大きく変化するでしょう。早い段階で求められていることを理解し、自分に与えられた役割を理解することが大切です。
ポイント2:知識や技術をコツコツと修得せよ
自分に与えられた役割を理解するためには情報が必要です。また、仕事に不足や心配事があり、対応策を立てるときも情報が必要となります。行き詰まってから慌てて行動しても、こういった情報はなかなか手に入りませんから、ふだんからの知識や技術の積み重ねが非常に重要になってきます。日頃から他人の仕事に関心を持ち、自分で身につけられる知識や技術をコツコツと修得しておくようにしましょう。上司をはじめ、関連する人から知識や情報を仕入れるという手もあります。
ポイント3:謙虚であれ
どこかで傲慢になってしまうと、周囲の人は、手を差し伸べにくくなります。どんなに小さな仕事でも気を配り、謙虚な姿勢で臨むようにしましょう。謙虚な姿勢を示すことで、だんだんと頼れる仲間が集まり、自分にとって働きやすい場所を作ることができます。
ポイント4:仕事を楽しめ
与えられた仕事を楽しむ余裕を持ちましょう。一流と呼ばれる人の仕事に感じる安心感は、全体を見渡しながら仕事をすることで生まれる余裕からくるものであることが多いからです。
おわりに
いかがでしたか? 一流は、一朝一夕にしてはならず。日頃からの積み重ねが大切であることが、おわかりいただけなのではないでしょうか?
一流と称されるようになるために、まずは、知識や経験を身につけていくことから始めましょう。そして、物事の本質を見抜く習慣を身につけ、自分の役割や他人をサポートする大切さを学びつつ、今できることに精一杯取り組んでいきましょう。
そうしたことを積み重ねることで、自然と一流への道が開けるのかもしれません。
LIMO編集部