住民税非課税世帯や均等割のみ課税世帯に該当する場合、給付金が支給されたり、様々な優遇措置が受けられたりといったメリットがあります。
現在も10万円の給付が自治体ごとに進められています。
では、そもそも住民税非課税世帯や均等割のみ課税世帯とはどのような世帯を指すのでしょうか。
今回は、住民税の仕組みや非課税となる条件などに加え、記事の後半では非課税となる年収の目安を紹介します。
私たちの身近な税金の1つである「住民税」について、理解を深めておきましょう。
1. そもそも住民税とは?
住民税とは、お住まいの地域(都道府県や市区町村)に納める税金のことです。地域の住民が受ける公共サービスのために使われます。
住民税は、以下の2つの部分で構成されています。
均等割
- すべての住民が一律で納める部分で、地域によって金額が異なることはありますが、基本的には一律5000円です。
所得割
- 前年の所得に基づいて計算される部分で、課税所得金額に対して10%が課されます。収入が多い人ほど支払う税額も多くなります。
1.1 住民税の計算方法
所得割額の計算過程の中に、「合計所得金額」や「総所得金額」という文言が出てきますが、これはいわゆる年収とは異なります。
具体的には、収入金額から必要経費を差し引いたものを「所得金額」、さらにそこから損益通算を行った後の金額が「合計所得金額」と言います。
なお、「合計所得金額」から前年度以前の損失を差し引いた繰越控除後の金額が、「総所得金額等」です。
所得割の算出にあたっては、総所得金額等から所得控除額を差し引いた「課税標準額」に税率10%を乗じ、税額控除等を差し引いて求められます。
この金額に均等割の5000円が加算され、算出された住民税が徴収されることになります。
計算方法を踏まえて、住民税非課税世帯および均等割のみ課税世帯に該当する要件を見ていきましょう。
1.2 住民税非課税世帯について
住民税非課税世帯とは、住民税を支払う義務がない世帯のことを指します。
所得割と均等割が非課税となる要件は自治体によって異なるケースがありますが、例えば東京都世田谷区の場合は、以下の要件を満たす世帯が対象となります。
- その年の1月1日現在で、生活保護法による生活扶助を受けている方
- 障害者、未成年者、ひとり親、寡婦の方で前年中の合計所得金額が135万円以下(給与収入になおすと、204万4000円未満)の方
- 前年中の合計所得金額が次の項目の金額以下の方
- 同一生計配偶者及び扶養親族がいない方:45万円
- 同一生計配偶者または扶養親族がいる方でかつ、次の計算式で得られた金額以下の方
35万円×(同一生計配偶者+扶養親族数(年少扶養含む)+1)+31万円
1.3 均等割のみ課税世帯について
所得割が非課税となり、均等割のみが課税されるケースがあります。こちらについても、東京都世田谷区を例に見てみましょう。
前の年の総所得金額等が次の項目の金額以下の方
- 扶養親族等のいない場合:45万円
- 扶養親族等のいる場合:35万円✕(本人+扶養親族等の数)+42万円
※扶養親族等:納税者と生計を一にする、合計所得金額が48万円以下の配偶者(内縁や未届の場合を除く)や親族をいいます。
2. 住民税が非課税になる年収の目安
前述の通り、自治体によって非課税となる要件は異なります。
そのため、あくまでも目安となりますが、厚生労働省の資料を基に、均等割および所得割が非課税となる年収の目安をみてみましょう。
<均等割(1級地)>
- 単身世帯:100万円
- 夫婦のみ:156万円
- 夫婦+子1人:205万7000円
- 夫婦+子2人:255万7000円
<均等割(3級地)>
- 単身世帯:93万円
- 夫婦のみ:137万8000円
- 夫婦+子1人:168万円
- 夫婦+子2人:209万7000円
※1級地は、東京23区、指定都市など。3級地は一般市・町村など。
<所得割>
- 単身世帯:100万円
- 夫婦のみ:170万円
- 夫婦+子1人:221万4000円
- 夫婦+子2人:271万4000円
※ 単身世帯における所得割は、所得控除等により108万8000円(課税最低限)までは課税されない
3. まとめにかえて
住民税には「均等割」と「所得割」があり、それぞれお住まいの地域の自治体によって非課税となる条件が異なります。
また、住民税の算出過程で差し引く必要経費や各種控除の内容は人によって異なるので、「年収いくら以下なら非課税になる」と言い切ることはできません。
まずは、お住まいの地域における条件を確認し、ご自身の収入状況などと照らし合わせてみてはいかがでしょうか。
参考資料
加藤 聖人