5. 将来の老後生活へ備えを
年金の平均月額と年金繰下げについて見ていきました。
現状の制度や年金受給額を把握した上で、ご自身の場合はいくら準備が必要か考えてみましょう。必要になる時期と金額が明確になると、次はどう準備すれば良いかを考えることができます。
日本では長らく続いてきたマイナス金利が解除されましたが、現在のメガバンクの預金金利は0.02%前後です。
年金額の減少や物価上昇の問題がある中で、銀行預金で老後資金の準備はできるのでしょうか。
「72の法則」というものがあります。これはお金が2倍になる期間が簡単にわかる便利な計算式です。(72÷金利=期間)
現在の銀行預金金利の0.02%でお金を2倍にするには、72÷0.02で計算することができます。
なんと、銀行預金でお金が2倍になるのは、3600年もの時間がかかります。
逆に、物価上昇が2%で進むとすれば、36年で物価が2倍になることになります。
現在は、この物価上昇率よりも高い利率で運用することができないと資産が目減りしていくことになります。
銀行預金以外にも、税制優遇のあるNISAやiDeCoといった制度も選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「令和6年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省・日本年金機構「知っておきたい年金のはなし」
- 日本年金機構「年金の繰下げ受給」
- 生命保険文化センター「生活保障に関する調査」
橋本 高志