かつて、「老後2000万問題」が大きな話題となったことを覚えている方も多いでしょう。
今年に入ってからも物価上昇が落ち着く様子はないため、必要となる老後資金はどんどん増えている印象です。このような中、老後について、漠然と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
実際、老後にはどれほど生活費がかかるのか気になる方もいると思います。夫婦二人の老後の生活費目安について、生命保険文化センターの調査結果があります。
夫婦二人の最低日常生活費は月額平均で23万2000円で、さらにゆとりある老後生活費を送るためには月額平均37万9000円が必要という結果でした。
実際には、毎月の生活費がどの程度必要かは、ご家庭によって変わってきます。
この機会に、ご自身の理想的な老後生活を送るために、毎月いくら準備する必要があるか考えてみましょう。
今回は60歳~89歳の「厚生年金・国民年金」の平均月額をみていきます。ご自身の必要な生活費に対して、現状の年金制度でどこまでカバーできるのか確認してみましょう。
また、年金を増やす方法はあるのかについても解説していきます。
1. 公的年金とは?仕組みをわかりやすく解説
まず、公的年金制度について確認しておきましょう。日本の年金は下図のとおり、「国民年金(基礎年金)と厚生年金」の2階建て構造となっています。
1.1 1階部分:国民年金
- 日本に住む20歳から60歳までのすべての人が原則加入
- 保険料は全員一律
- 40年間欠かさず納めれば満額が受け取れる
1.2 2階部分:厚生年金
- 会社員や公務員、またパートで特定適用事業所に働き一定要件を満たした方が、国民年金に上乗せで加入
- 保険料は収入に応じて(上限あり)変わる
- 加入期間や納めた保険料により個人差が大きく出やすい
つまり、現役時代の働き方や年金加入期間などにより、将来の年金額が大きく変わるということです。
次章では実際の年金受給額について、年齢別にみていきましょう。