2. 老齢国民年金はいくらもらえるのか
生活保護は誰でも受けられるわけではなく、あらゆる手段を使っても生活できない人のみが受給できることを確認しました。
ただし、老後は年金をもらえるはずです。年金だけでは生活できないほど、年金支給額は少ないのでしょうか。
厚生労働省年金局「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金の受給額の分布は以下のとおりとなります。
2.1 国民年金の受給額分布
年金受給額 割合
- 月額1万円未満 0.2%
- 月額1万円以上2万円未満 0.8%
- 月額2万円以上3万円未満 2.6%
- 月額3万円以上4万円未満 8.0%
- 月額4万円以上5万円未満 13.9%
- 月額5万円以上6万円未満 24.7%
- 月額6万円以上7万円未満 44.4%
- 月額7万円以上 5.3%
平均年金月額 5万6316円
平均額は月5万6316円です。さらに、受給額が月4万円未満の人も10%以上います。
たしかに、月4万円の年金だけで生活するのは難しい人もいるでしょう。
3. 国民年金の受給額が少なくなる原因とは
先ほど国民年金の受給額が月4万円未満の人も10%以上いることを確認しましたが、国民年金の満額は月6万8000円(令和6年度分)です。
では、なぜ受給額が月4万円未満の人がいるのでしょうか。これは、国民年金が保険料納付済期間と保険料免除期間などを合算した受給資格期間に応じて受給額が決まることが関係しています。
受給資格期間が短い人は、年金が減額となります。また、受給資格期間が10年未満の人は年金をもらえません。
そのため、これらの年金額が少なく、他のあらゆる手段を使っても最低限度の生活が送れない人は生活保護を受けることとなります。