5. タイプ別「受給開始年齢」の考え方

いつから受給開始するのがいいのかは、一人ひとりの考え方によって異なります。

また、慎重に検討してもいつ死亡するかわからないため、結果的に損をする(=総受給額が少なくなる)こともあるでしょう。

ここでは、タイプ別に受給開始年齢の考え方を紹介します。

5.1 健康に自信のない人や年金制度に不安を感じている人は60歳受給開始

健康に自信のない人とは、あまり長生きできないと考えている人のことです。

大きな病気を抱えている、不摂生な生活をしている、家族がみんな早く亡くなっている、などのケースが考えられます。

前述の「死亡年齢別の総受給額」のシミュレーションより、80歳までに亡くなった場合、総受給額は60歳に受給開始したケースが最も多くなります。

早く亡くなった場合、早く受給開始した方が得だということです。

また、これから年金の支給水準が下がる、年金制度は行き詰まる、など年金制度に不安を感じている人は、もらえるものは早目にもらっておくという考え方もあるでしょう。

5.2 長生きしたときの老後資金に不安を感じている人は70歳受給開始

長生きして老後資金が底をつき、生活できなくなるのが老後破綻です。

早く亡くなれば老後資金は少なくて済みますが、長生きするほど多くの老後資金が必要です。

長生きリスクに備えるには、85歳以降の総受給額が多くなる70歳受給開始をおすすめします。