2024年6月21日に、岸田首相が年金生活世帯や低所得世帯への追加給付金を検討していると発表しました。

物価の高騰が家計に大きな打撃を与えているため、こうした支援が求められているのでしょう。

また2024年度の公的年金は前年度より2.7%の増額となりましたが、物価の上昇には追いついていません。

つまり、実際には年金の価値が目減りしてしまっています。年金生活をしている世帯の生活が厳しい状況にあるのは容易に想像できますね。

そこでこの記事では、65歳以上の年金生活者が「貯蓄額」「年金額」「生活費」をどうやってやりくりしているのか、調査データをもとに詳しく見ていきます。

老後の生活に向けた対策の参考にしてみてください。

1. 65歳以上世帯貯蓄額の平均・中央値はいくら?老後2000万円を超えるか

総務省統計局の「家計調査 / 貯蓄・負債編 二人以上の世帯 詳細結果表」から、シニアの貯蓄を見ていきましょう。

65歳以上の世帯主がいる家庭の平均貯蓄額は2504万円で、中央値は1604万円となりました。

一見大きな額に思えるかもしれませんが、実際にはどのくらいの貯蓄が必要なのかは、それぞれの生活スタイルや家計によって大きく変わります。

65歳以上の世帯の貯蓄額とその分布は?国民年金の受給額分布は2枚目をチェック

65歳以上のシニア世帯で「貯蓄4000万円超」の割合

出所:総務省統計局「家計調査報告 貯蓄・負債編 2023年(令和5年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」

  • 100万円未満:7.9%
  • 100~200万円未満:4.1%
  • 200~300万円未満:3.2%
  • 300~400万円未満:3.7%
  • 400~500万円未満:3.0%
  • 500~600万円未満:4.1%
  • 600~700万円未満:3.1%
  • 700~800万円未満:3.1%
  • 800~900万円未満:2.9%
  • 900~1000万円未満:2.3%
  • 1000~1200万円未満:5.5%
  • 1200~1400万円未満:4.3%
  • 1400~1600万円未満:4.3%
  • 1600~1800万円未満:4.2%
  • 1800~2000万円未満:3.2%
  • 2000~2500万円未満:7.1%
  • 2500~3000万円未満:6.6%
  • 3000~4000万円未満:8.7%
  • 4000万円以上:18.8%

次は、公的年金、つまり「国民年金」と「厚生年金」の平均月額を見ていきます。

年金がどれくらい支給されるのか、具体的な数字を見ながら考えていきましょう。