物価高や円安が続く現代において、「家計が苦しい」と感じる世帯は多くいるでしょう。
特に夏はエアコンの利用により、普段より光熱費がかかることから頭を抱えている人もいるのではないでしょうか。
厚生労働省が7月上旬に公表した「毎月勤労統計調査 令和6年5月分結果速報」によると、名目賃金に物価変動を反映させた「実質賃金は前年同月比1.4%減」であり26ヶ月連続のマイナスとなりました。
このことから、賃上げはされているものの、物価上昇の伸びに追いついていない現状がみてとれます。
政府や自治体はこの実態を受け、さまざまな補助金支援や給付金支援などを公表しています。
本記事では、家計負担の救世主ともなり得る、この夏に実施される補助・給付金支援についてピックアップして紹介していきます。
ご自身の世帯が対象になるかどうか、確認しておきましょう。
1. 8月より電気・ガス料金補助が実施予定
円安や物価高が続く中、今年の夏も酷暑となることが予想されており、エアコン利用による光熱費の負担増を不安視する声が数多く寄せられています。
そのため政府は、酷暑となる夏を乗り切るために、即効性が高い対策として「電気・ガス代」に対する補助を8月より実施することを公表しました。
上記の支援は、8月から10月までの3ヶ月間と期間が限定されていますが、その間は電気とガス料金の補助が行われる予定です。
電気・ガス代においては、8月・9月の負担軽減を特に重点化するとしており、低圧の電気では、下記の金額が補助される予定です。
1.1 8月から10月までの電気代補助額
- 8月:1kWhあたり4円
- 9月:1kWhあたり4円
- 10月:1kWhあたり2.5円
上記は都市ガスにも対応する予定で、8月・9月は1㎥当たり17.5円、10月は1㎥当たり10円であると公表しています。
具体的な軽減額は、1ヶ月で400kWhを使用した場合、8・9月は「1600円程度」、10月は「1000円程度」とされています。
軽減額をみると「少ない」と感じてしまいますが、電気代が高くなる夏に、少しでも負担が軽減されるのは嬉しいことと言えます。
とはいえ政府は、脱炭素化の流れやGXの取組への影響を勘案し「いつまでも続けるべき政策とは言えない」と言及しており、上記の支援は今回限りになることがうかがえます。
2. 高齢者世帯を対象に各自治体でエアコン購入設置の助成
経済的な理由で自宅にエアコンがない高齢者世帯に対して、夏の熱中症予防支援として、エアコンの購入と設置に要する費用を自治体で助成する方針が進められています。
一例として、東京都港区の場合、区内在住で自宅にエアコンがない、又は故障により使用できるエアコンがない世帯で、下記2点の両方に該当する世帯が対象です。
- 65歳以上の高齢者のひとり暮らし世帯、又は65歳以上の高齢者のみで構成される世帯、又は65歳以上の高齢者と障害者のみで構成される世帯である
- 世帯員全員が住民税非課税である
助成限度額は1世帯1回限りで「7万7000円」となります。
自治体によって「上記の助成が実施されているか」「どのくらい助成金がでるのか」が異なるため、お住まいの自治体ホームページを確認してみることをおすすめします。
3. 2024年夏頃から住民税非課税世帯を対象に10万円の現金給付
政府は、デフレ完全脱却を目的に、2024年夏頃から住民税非課税世帯等に10万円を給付すると表明。
さらに、対象世帯の中に18歳以下の子どもがいる場合、子ども1人あたりにつき5万円の加算がされます。
今回の10万円給付の対象者は下記のとおりです(※2023年度に実施された7万円または10万円の給付金を受給した世帯は対象外)。
3.1 10万円の現金給付の対象者
- 2024年6月3日時点で、住民税が非課税である世帯の世帯主
- 2024年6月3日時点で、住民税均等割のみが課税である世帯の世帯主
10万円給付の申請はすでに開始されている自治体が多く、自治体によっては7月〜8月頃には給付が開始されるところも。
自治体の多くが、申請期限を9月末・10月末に設定しています。
4. 住民税非課税世帯ってどんな世帯?
本記事で紹介した「エアコン購入設置の助成」や「10万円の給付金支給」はどちらも、住民税非課税世帯が対象となっていますが、住民税非課税世帯とはどのような世帯を指すのでしょうか。
住民税は、「均等割」と「所得割」の2種類で構成されており、住民税非課税世帯は、世帯全員が「均等割と所得割」どちらも課税されない世帯を指します。
住民税非課税世帯の具体的な要件は、各自治体によって異なります。
一例として、東京都港区の場合の住民税非課税世帯の要件は下記のとおりです。
- 生活保護法の規定による生活扶助を受けている
- 障がい者、未成年者、寡婦またはひとり親で、前年の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合、年収204万4000円以未満である
- 前年の合計所得金額が一定の所得以下
前年の合計所得金額のボーダーラインの目安は下記のとおりです。
- アルバイトやパートの給与収入が100万円以下
- 65歳以上で年金受給のみの人は、年金収入が155万円以下
- 65歳未満で年金受給のみの人は、年金収入が105万円以下
上記の年収とご自身の年収を比較し、住民税非課税世帯に該当する可能性がある場合は、お住まいの自治体ホームページから具体的な要件を確認してみることをおすすめします。
5. ご自身が補助・給付金の対象か確認しておこう
本記事では、家計負担の救世主ともなり得る、この夏に実施される補助・給付金支援についてピックアップして紹介していきました。
円安や物価高の影響を受け、政府は続々と支援策を公表しています。
支援内容によっては、今回紹介した「エアコン購入設置の補助」や「10万円の給付金支給」のように要件があるケースも考えられるため、ご自身が補助・給付金の対象かどうかしっかりと確認しておけると良いでしょう。
参考資料
- 厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和6年5月分結果速報」
- 経済産業省「齋藤経済産業大臣の記者会見の概要」
- 港区「高齢者エアコン購入設置費用助成」
- つくば市「低所得者世帯への給付金(令和6年度 新たに住民税非課税となる世帯または新たに住民税均等割のみ課税となる世帯)」
- 名古屋市「令和6年度 低所得者支援給付金(新たに住民税非課税となる世帯及び新たに住民税均等割のみ課税となる世帯)」
- 財務省「住民税について教えてください。所得税とはどう違うのですか?そもそも国税と地方税の違いはなんですか?」
- 港区「住民税(特別区民税・都民税)はどういう場合に非課税になりますか。」
太田 彩子