2024・2025年度の「後期高齢者医療保険」の値上げというニュースを見て、「また値上げか」と思った方も多いのではないでしょうか。
ここ最近は「値上げ」のニュースが続きます。食料品やガソリン代、光熱費など、生活をする上で支払わなければならないものの値上げが多く、今回の「後期高齢者医療制度」も同様です。
そもそも「後期高齢者医療制度」とは、原則75歳以上のすべての人が加入する公的な医療保険です。
都道府県ごとに定められている保険料は異なるため、お住まいの自治体の保険料を知らない方もいるのではないでしょうか。
本記事では、都道府県ごとの後期高齢者医療制度の保険料について詳しく解説をしていきます。
併せて、年金収入が195万円の人の保険料モデルや12月に控える保険証の廃止、さらに値上げに対する対策についても見ていきましょう。
1. 「後期高齢者医療制度」の対象者は誰なのかわかりやすく解説
国民皆保険の日本においては、誰しもが公的健康保険制度に加入する形となります。
- 協会けんぽ…中小企業で働く従業員
- 組合管掌健康保険…大企業で働く従業員
- 共済組合…公務員や私立教職員
- 船員保険…船員
- 後期高齢者医療制度…75歳以上(一定の障害がある方は65歳以上)のすべての人
- 国民健康保険…上記にあてはまらない無職や自営業の人など
後期高齢者医療制度は、原則75歳以上のすべての人(および、一定の障害があると認定された65歳以上の人)が加入する公的な健康保険制度です。
後期高齢者医療制度の運営は各都道府県に設置された「後期高齢者医療広域連合」が行い、ここにすべての市町村が加入しています。
保険料は年々上昇傾向にあります。
2. 【増額改定】後期高齢者医療制度の平均保険料額はいくら?2024年度~2025年度
後期高齢者医療制度の保険料は、誰でも一律に負担する「均等割」と前年の所得で決まる「所得割」の合計で算出されます。
2024年度の後期高齢者医療制度の保険料は、全国平均で下記のとおりです。
2.1 後期高齢者医療制度「保険料率」と全国平均額(2024年度)
- 被保険者均等割額の年額:5万389円
- 被保険者均等割額の月額:4199円
- 所得割率:10.21%
- 平均保険料額の年額:8万4988円
- 平均保険料額の月額:7082円
2022年度~2023年度の平均保険料額が月額で6575円だったので、2024年度は7.7%の増加となっています。
さらに、2025年度の保険料率も増額されることが決定しています。
2.2 後期高齢者医療制度「保険料率」と全国平均額(2025年度)
- 被保険者均等割額の年額:5万389円
- 被保険者均等割額の月額:4199円
- 所得割率:10.21%
- 平均保険料額の年額:8万6306円
- 平均保険料額の月額:7192円
上記はあくまでも全国平均なので、次の章で「年金収入195万円の人」をモデルとして全国の保険料を比較していきましょう。
3. 【2024年度】後期高齢保険料を一覧表で全国比較
ここからは、年金収入195万円の人の後期高齢保険料(月額)を都道府県別に確認していきましょう。
3.1 年金収入195万円の人の保険料を比較(2024年度ベース)
【写真全2枚中1枚目】年金収入195万円の人の2024年度の保険料例。2枚目は2025年度モデルで比較1/2
出所:厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和6・7年度の保険料率について」をもとにLIMO編集部作成
- 全国:5411円
- 北海道:6025円
- 青森県:5170円
- 岩手県:4583円
- 宮城県:5025円
- 秋田県:4808円
- 山形県:5017円
- 福島県:4937円
- 茨城県:5125円
- 栃木県:4883円
- 群馬県:5317円
- 埼玉県:4858円
- 千葉県:4775円
- 東京都:5044円
- 神奈川県:5213円
- 新潟県:4633円
- 富山県:5033円
- 石川県:5409円
- 福井県:5458円
- 山梨県:5685円
- 長野県:4845円
- 岐阜県:5167円
- 静岡県:5033円
- 愛知県:5858円
- 三重県:5212円
- 滋賀県:5119円
- 京都府:5886円
- 大阪府:6211円
- 兵庫県:5812円
- 奈良県:5667円
- 和歌山県:5808円
- 鳥取県:5608円
- 島根県:5345円
- 岡山県:5500円
- 広島県:5211円
- 山口県:6124円
- 徳島県:5792円
- 香川県:5617円
- 愛媛県:5460円
- 高知県:5833円
- 福岡県:6357円
- 佐賀県:5967円
- 長崎県:5508円
- 熊本県:6196円
- 大分県:6184円
- 宮崎県:5458円
- 鹿児島県:6275円
- 沖縄県:5913円
もっとも高いのは福岡県で6357円。もっとも低いのは岩手県で4583円でした。同じ年収でも、居住地によって保険料が異なることがわかります。
年金収入がもっと高い方は、その収入額に応じて負担が高くなることもあるでしょう。
続いて2025年度の保険料も比較していきましょう。
4. 【2025年度】後期高齢保険料を一覧表で全国比較
続いて、2025年度の保険料例も同資料から都道府県ごとに比較していきます。
4.1 年金収入195万円の人の保険料を比較(2025年度ベース)
- 全国:5673円
- 北海道:6325円
- 青森県:5415円
- 岩手県:4808円
- 宮城県:5216円
- 秋田県:5042円
- 山形県:5283円
- 福島県:5056円
- 茨城県:5358円
- 栃木県:4991円
- 群馬県:5567円
- 埼玉県:5067円
- 千葉県:5008円
- 東京都:5355円
- 神奈川県:5440円
- 新潟県:4850円
- 富山県:5033円
- 石川県:5573円
- 福井県:5458円
- 山梨県:6003円
- 長野県:5156円
- 岐阜県:5400円
- 静岡県:5275円
- 愛知県:6117円
- 三重県:5475円
- 滋賀県:5371円
- 京都府:6180円
- 大阪府:6495円
- 兵庫県:6134円
- 奈良県:5833円
- 和歌山県:6125円
- 鳥取県:5892円
- 島根県:5618円
- 岡山県:5758円
- 広島県:5438円
- 山口県:6408円
- 徳島県:6033円
- 香川県:5892円
- 愛媛県:5719円
- 高知県:6100円
- 福岡県:6641円
- 佐賀県:6250円
- 長崎県:5792円
- 熊本県:6259円
- 大分県:6509円
- 宮崎県:5675円
- 鹿児島県:6592円
- 沖縄県:6410円
もっとも高いのは福岡県で6641円、もっとも低いのは岩手県で4808円となりました。
ちなみに一定の要件を満たす場合「後期高齢保険料」は年金から天引きされます。年金の手取り額に影響が出ることを覚えておきましょう。
5. 後期高齢者医療制度の値上げなどに対する対策とは?
ここまで、2024年・2025年度の後期高齢保険料を都道府県別に比較しながら確認し、都道府県によって大きな差が生まれていることがわかりました。
今後はさらに「後期高齢者医療制度」の保険料値上げや、食料品やガソリン代などの値上げに拍車がかかる可能性が高いため、75歳を迎える前に事前に準備をする必要があるでしょう。
例えば、預金や資産運用など今の日本には多くの事前準備方法が存在します。ここでは、「資産運用」についてご紹介します。
資産運用と聞くと「NISA」や「iDeCo」をイメージする方が多いのではないでしょうか。
しかし、資産運用は「新NISA」や「iDeCo」以外にも方法が存在します。証券会社を介した債券購入(国債や社債など)や、保険会社を介した個人年金保険などがあります。
NISAやiDeCoを含め、すべての方法にはメリット・デメリットが必ず存在します。人によって、デメリットを許容できなかったり、メリットをメリットに感じなかったりとさまざまでしょう。
それぞれの仕組みやメリット・デメリットをしっかりと把握し、ご自身が納得したものを長期間行うことで、後期高齢者医療制度などの値上げに対して準備ができるでしょう。
6. 12月には保険証が廃止へ
今回は、2024年度・2025年度の後期高齢者医療制度の保険料率や保険料例を確認しました。
2024年12月2日にはマイナンバーカードとの一体化が控えていることから、現在の保険証は廃止となります。マイナ保険証を持っていない場合には、資格確認書が交付される予定となっていますが、高齢者にとってこうした制度改正を負担に思うことも多いでしょう。
少子高齢化が進むなかで、保険料の負担も増加しています。
現役世代にとっても、自身が高齢者になった時の負担を考えると不安も残るものです。年金だけで老後を過ごすのは難しいといわれる昨今。
将来を見据え、老後計画をしっかり立てていきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和6・7年度の保険料率について」
- 日本年金機構「Q.年金から所得税および復興特別所得税が源泉徴収される対象となる人は、どのような人でしょうか。」
- 厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用のメリット」
長井 祐人