2024年6月21日、政府は物価高による家計への影響が特に大きいと考えられる年金生活世帯や低所得世帯を対象に追加給付金を検討していると明らかにしました。

老後に受給する年金額は現役時代の年金加入状況により個人で異なるため、全ての年金生活者が厳しい状況に置かれているわけではありません。

しかし、なかには年金が極端に少ない低年金や、年金の受給資格がない無年金の人も。

リタイア後は公的年金の収入を中心に生計を立てるのが一般的ですが、低年金・無年金となればその他の収入や貯蓄の取り崩しなどで生活費をカバーしなければいけません。

なぜ、低年金・無年金になってしまうのでしょうか。本記事では、「低年金」や「無年金」になる理由について詳しく解説していきます。厚生年金・国民年金の平均月額もご紹介しますので、老後対策の参考にご覧ください。

1. 65歳以上世帯の38.1%が「住民税非課税世帯」に…

現行制度では老齢年金の受給開始は原則65歳以上となっているため、65歳を老後生活のスタートラインと考える人が多いでしょう。

65歳から「国民年金」または「厚生年金(基礎年金を含む)」を収入の中心として、老後生活をやりくりするのが一般的です。

しかし、年金収入が少なく住民税が非課税になる世帯も。厚生労働省「令和5年 国民生活基礎調査」によると、65歳以上世帯の38.1%が住民税非課税世帯に該当します。

【写真全4枚】1枚目/年代別:住民税非課税世帯の割合、2枚目/厚生年金の一覧表

年代別:住民税非課税世帯の割合

出所:厚生労働省「令和5年 国民生活基礎調査」をもとにLIMO編集部作成

30歳代~50歳代の現役世代の住民税非課税世帯の割合は10%台ですが、60歳代になると一気にその割合が高まり、65歳以上では約4割を占めています。

年金収入も含め、65歳以上のシニア世代は低所得世帯が多いことがわかります。

では、老後に受給できる年金は実際にどれくらいあるのか。シニア世代の受給額に関するデータから実態を見てみましょう。