FIREという言葉を耳にする機会が増えたのではないでしょうか。いわゆる経済的自立や早期リタイアという意味で使われています。

この1月からNISAの改定も行われ、資産運用に注目する方が増えたことも影響しているでしょう。

筆者も仕事柄、お金について話す機会が多いのですが、お金に困らない生活を目指す方が増えていると感じます。

お金に困らないといえば、いわゆる富裕層と呼ばれる人がおり、富裕層の仲間入りができればFIREの達成も見えるでしょう。

では、いくらくらいの資産があれば富裕層と呼ばれるのでしょうか。

そこで今回は富裕層について、どのような方が該当しているのか、そしてなぜ増えているのかについても考察していきます。

1. 「資産1億円以上~5億円未満」の富裕層はどのくらいいるか?

野村総合研究所によると、2021年調査時点での日本には、純金融資産1億円以上の富裕層が148万5000世帯存在していました。

【写真全3枚中1枚目】富裕層の定義と割合。2枚目では保有資産規模と世帯数の推移から「富裕層」が増えた理由を考察

富裕層の定義と割合

出所:株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計」

同資料では、資産1億円を超える層を富裕層と分類しています。これは割合にして、全体のわずか2%にすぎません。

1.1 階層別:純金融資産保有額別にみた世帯数

  • 超富裕層(5億円以上):9万世帯/105兆円
  • 富裕層(1億円以上5億円未満):139万5000世帯/259兆円
  • 準富裕層(5000万円以上1億円未満):325万4000世帯/258兆円
  • アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):726万3000世帯/332兆円
  • マス層(3000万円未満):4213万2000世帯/678兆円

富裕層は全体としては少数ではあるものの、2005年以来、62万世帯がこの富裕層に新たに加わっています。

それでは、日本で富裕層が増えたのはなぜでしょうか。次の章から考えていきます。