円安で海外旅行に行きづらくなり、輸入品の価格も上がる。
もともと余裕がなかったのに、さらに生活に制限がかかって不満が溜まっている人も多いでしょう。
また、40歳代以降は老後の生活に対する不安が大きい人も多いです。
老後に向けた貯蓄が少なく、年金だけで暮らせるか漠然と心配している人もいるでしょう。
そこで本記事では、現在のシニア世帯の懐事情を解説しながら、年金だけでの生活が可能なのかを確認します。
シニア世帯の年金額と生活費、貯蓄額を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
1. シニア世帯はどれくらい年金をもらっているのか
まずは、シニア世帯がどれくらい年金をもらっているのか確認しましょう。
厚生労働省年金局「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金受給者の年金受給額(国民年金+厚生年金)の分布は以下のとおりです。
1.1 厚生年金受給者の年金受給額(国民年金+厚生年金)
年金受給額 割合
- 月額1万円未満 0.38%
- 月額1万円以上2万円未満 0.10%
- 月額2万円以上3万円未満 0.34%
- 月額3万円以上4万円未満 0.59%
- 月額4万円以上5万円未満 0.64%
- 月額5万円以上6万円未満 0.96%
- 月額6万円以上7万円未満 2.57%
- 月額7万円以上8万円未満 4.30%
- 月額8万円以上9万円未満 5.80%
- 月額9万円以上10万円未満 7.03%
- 月額10万円以上11万円未満 7.05%
- 月額11万円以上12万円未満 6.47%
- 月額12万円以上13万円未満 5.91%
- 月額13万円以上14万円未満 5.79%
- 月額14万円以上15万円未満 5.96%
- 月額15万円以上16万円未満 6.21%
- 月額16万円以上17万円未満 6.51%
- 月額17万円以上18万円未満 6.62%
- 月額18万円以上19万円未満 6.32%
- 月額19万円以上20万円未満 5.69%
- 月額20万円以上21万円未満 4.75%
- 月額21万円以上22万円未満 3.56%
- 月額22万円以上23万円未満 2.40%
- 月額23万円以上24万円未満 1.58%
- 月額24万円以上25万円未満 1.04%
- 月額25万円以上26万円未満 0.64%
- 月額26万円以上27万円未満 0.37%
- 月額27万円以上28万円未満 0.21%
- 月額28万円以上29万円未満 0.10%
- 月額29万円以上30万円未満 0.05%
- 月額30万円以上 0.08%
平均年金月額 14万3973円
*厚生年金保険受給権者には、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより、定額部分のない報酬比例部分のみの65歳未満の受給権者が含まれている
人によってかなり差がありますが、平均受給額は月14万3973円です。
ただし、上記は会社員や公務員として働いた経験のある厚生年金受給者がもらう年金額であることに注意しましょう。
会社員や公務員としての勤務経験がない自営業者や専業主婦(夫)は厚生年金を受け取ることはできず、もらえるのは国民年金のみとなります。国民年金の満額受給額は月6万8000円です。
例えば、平均的な厚生年金額である月14万3973円を受け取る夫と専業主婦で月6万8000円を受け取る妻の世帯の場合、合計の年金額は月21万1973円となります。