帝国データバンク「「食品主要 195 社」価格改定動向調査―2024 年7月」によると、2024年7月には飲食料品411品目が値上げし、「酒類・飲料」が全食品分野で最も多い 199 品目でした。
直近3年間の値上げ品目数を比較すると、2022年で2万5768品目(値上げ率平均14%)、2023年で3万2396品目(値上げ率平均15%)、そして2024年は現段階で1万86品目(予定含む。値上げ率平均17%)となっています※。
※調査時点の食品上場105社のほか、全国展開を行う非上場食品90社を含めた主要195社の2022-24年価格改定計画(実施済みを含む)。なお、品目数は再値上げなど重複を含む。
円高進行による輸入コスト増や、一部の原材料や包装資材に一層の値上がりが見込まれるものもあり、今秋にかけて大規模な値上げラッシュが発生する可能性があると言われています。
この物価の高騰が今後も続くとなると、年金だけで老後の生活を送れるのか不安が大きくなりますね。
そこで本記事では、65歳以上・無職夫婦世帯のお金事情を見ていきます。老後の資金計画を立てる参考にしてみてください。
1. 65歳以上・無職夫婦世帯の平均貯蓄額はいくら?
老後生活を支える大きな一つが「貯蓄」です。
生活費の補填はもちろん、家具家電や車の買い替え、リフォーム、病気や介護費用など、貯蓄を必要とする場面はたくさん想定されます。
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」(2024年5月17日公表)を参考に、世帯主が65歳以上の貯蓄を見ていきましょう。
上記によると、「世帯主が65歳以上の二人以上世帯」の貯蓄現在高は次のとおりです。
1.1 65歳以上・二人以上世帯の貯蓄額(平均・中央値)
- 平均:2462万円
- 貯蓄保有世帯の中央値:1604万円
一般的な年金受給開始年齢は65歳なので、65歳以降を老後と考えると、その世帯の平均的な貯蓄額は2462万円です。
ただし、平均値は一部の富裕層の影響を受け、高く出やすい傾向があります。
貯蓄を保有している世帯のより実態に近い中央値は、1604万円となります。グラフの分布からも、貯蓄の個人差の大きさがわかりますね。
次に65歳以上・無職世帯(二人以上の世帯)の平均貯蓄額を確認しましょう。
65歳以上で無職の二人以上世帯の平均貯蓄額は2504万円となっており、先ほどの65歳以上全体よりも高くなっています。
ただし、より実態に近い中央値は下がる可能性があり、家庭間の差も大きいと考えられます。
内訳を見ると通貨性預貯金754万円、定期性預貯金846万円、有価証券480万円、生命保険などが413万円となっています。
貯蓄額を増やすには預貯金だけでなく、有価証券などを検討することも手段のひとつでしょう。