5. 年金の額面だけではなく手取りを考慮した老後計画を

8月の年金支給額が夫婦で「約46万円」や「約67万円」となる違いについて解説しましたが、現役時代の働き方や収入が年金額に大きく影響する点を理解することが重要です。

「約46万円」と聞いて高額に感じる方もいるかもしれませんが、これは2ヶ月分の支給額です。1ヶ月あたりにすると約23万円になります。また、税金や保険料が控除されるため、実際の手取り額はさらに少なくなります。この現実を踏まえ、老後の資金計画を立てることが不可欠です。

5.1 支出の把握がポイント

また、お金を減らさないための方法は、支出を抑えることです。「お金が貯まらない人」は、支出を把握していない場合があります。まずは、家賃、ローン、光熱費、通信費、学費、食費、交際費などの固定費を確認し、支出をまとめて把握しましょう。これにより、収入との差額から自由に使えるお金がわかります。

5.2  資産形成の重要性

iDeCoやつみたてNISAなどの制度を活用して資産形成を行うことも大切です。これにより、老後の経済的安定を図ることができます。資産運用にはリスクも伴いますが、長期的な視点で計画的に取り組むことで、預貯金にはないリターンを期待することができます。

早めの準備と適切な戦略で、安心して老後を迎えるための土台を築きましょう。

【編集部よりご参考】

参考までに、厚生年金の平均額は額面で14万3973円、国民年金の平均額は額面で5万6316円です。

ただし、実際の受給額は個人差が大きいのが特徴なので、受給額ごとの人数もご紹介します。

厚生年金受給額ごとの人数

  • 1万円未満:6万1358人
  • 1万円以上~2万円未満:1万5728人
  • 2万円以上~3万円未満:5万4921人
  • 3万円以上~4万円未満:9万5172人
  • 4万円以上~5万円未満:10万2402人
  • 5万円以上~6万円未満:15万2773人
  • 6万円以上~7万円未満:41万1749人
  • 7万円以上~8万円未満:68万7473人
  • 8万円以上~9万円未満:92万8511人
  • 9万円以上~10万円未満:112万3972人
  • 10万円以上~11万円未満:112万7493人
  • 11万円以上~12万円未満:103万4254人
  • 12万円以上~13万円未満:94万5662人
  • 13万円以上~14万円未満:92万5503人
  • 14万円以上~15万円未満:95万3156人
  • 15万円以上~16万円未満:99万4044人
  • 16万円以上~17万円未満:104万730人
  • 17万円以上~18万円未満:105万8410人
  • 18万円以上~19万円未満:101万554人
  • 19万円以上~20万円未満:90万9998人
  • 20万円以上~21万円未満:75万9086人
  • 21万円以上~22万円未満:56万9206人
  • 22万円以上~23万円未満:38万3582人
  • 23万円以上~24万円未満:25万3529人
  • 24万円以上~25万円未満:16万6281人
  • 25万円以上~26万円未満:10万2291人
  • 26万円以上~27万円未満:5万9766人
  • 27万円以上~28万円未満:3万3463人
  • 28万円以上~29万円未満:1万5793人
  • 29万円以上~30万円未満:7351人
  • 30万円以上~:1万2490人

国民年金受給額ごとの人数

  • 1万円未満:6万5660人
  • 1万円以上~2万円未満:27万4330人
  • 2万円以上~3万円未満:88万1065人
  • 3万円以上~4万円未満:266万1520人
  • 4万円以上~5万円未満:465万5774人
  • 5万円以上~6万円未満:824万6178人
  • 6万円以上~7万円未満:1484万7491人
  • 7万円以上~:178万3609人

参考資料

足立 祐一