3.4 脱・高所得貧乏:先取り貯蓄を行う
給与が入ったと同時に先取り貯蓄を行えば、着実に貯蓄を増やせます。
先に貯蓄する分を別途保管し、残ったお金で生活する習慣を身につければ、自然と支出を抑える工夫に意識が向く可能性もあります。
具体的な手段としては、勤務先の財形貯蓄制度や、金融機関が用意している自動で貯蓄できるサービスを活用するとよいでしょう。
3.5 脱・高所得貧乏:資産運用を行う
先取り貯蓄を行えば着実に貯蓄額を増やせますが、効率よく資産を増やしたい場合には、元本割れのリスクを取って資産運用も検討してみましょう。
資産運用を始める際におすすめなのが、2024年から始まった新NISA。年間で最大360万円まで非課税投資を行えるため、枠を有効活用できます。
通常の投資だと、運用益に対して20.315%の税金が課されますが、NISAを活用すれば運用益をそのまま手元に残すことが可能です。
効率よく資産を増やすためにも、貯蓄だけでなく資産運用も行うとよいでしょう。
ただし、資産運用にはリスクが伴います。元本割れを起こして資産が目減りしてしまう可能性がある点に留意し、自分のリスク許容度の範囲内で行いましょう。
4. まとめにかえて
世帯年収が高くても、家計管理がずさんで「入った分だけ使ってしまう」という家庭では、なかなか貯蓄が進みません。
実際に、金融広報中央委員会の資料では、世帯年収が1000~1200万円ある世帯でも貯蓄を有していない世帯が11.5%存在しています。
高所得貧乏の状態から抜け出すためにも、家計管理や計画的な貯蓄を行いましょう。また、リスク許容度の範囲内で資産運用を始めることも有意義です。
参考資料
- 厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
- 厚生労働省「「令和5年賃金構造基本統計調査」の結果を公表します 」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]各種分類別データ(令和5年)」
- 総務省統計局「家計調査(二人以上の世帯)2023年(令和5年)平均」
- 金融庁「NISAを知る」
柴田 充輝