現役世代の中でも、50歳代の方々は特に老後の資金対策への関心が高いでしょう。
資金準備をしていくうえで、どのくらい貯蓄があれば安心できるのかわからない、物価の上昇や公共料金の値上げの影響で思うように貯蓄ができない、と不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
こうした中でも近づいてくる老後に向けて、同年代の方がどれくらい準備をしているのか気になるところでしょう。
そこで本記事では、現役世代である50歳代の貯蓄額を確認していきます。
記事の後半では、新NISAを活用して50歳から65歳までに「1000万円」をつくるには、毎月いくら積み立てればよいのかをシミュレーションしていきます。
1. 【50歳代の平均貯蓄額】単身世帯は1391万円
50歳代世帯は、公的年金(老齢年金)の受給開始となる65歳に向けて、どれくらい貯蓄を保有しているのでしょうか。
金融広報中央委員の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」より、50歳代の貯蓄額を「単身世帯」と「二人以上世帯」に分けて見ていきます。
※本章で確認する貯蓄額(金融資産保有額)には預貯金以外に株式・投資信託・保険などの金融商品残高が含まれます。
1.1 平均貯蓄額と中央値
- 平均:1391万円
- 中央値:80万円
1.2 金額階層別の世帯割合
- 金融資産非保有:38.3%
- 100万円未満:11.2%
- 100~200万円未満:5.2%
- 200~300万円未満:2.7%
- 300~400万円未満:3.6%
- 400~500万円未満:3.8%
- 500~700万円未満:4.6%
- 700~1000万円未満:5.5%
- 1000~1500万円未満:4.9%
- 1500~2000万円未満:4.1%
- 2000~3000万円未満:4.4%
- 3000万円以上:9.3%
50歳代・単身世帯の平均貯蓄額は1391万円ですが、平均値は極端な値に引っ張られてしまう傾向があるため、より実態に近いと考えられている中央値は80万円です。
また、貯蓄額ごとの世帯割合では、金融資産非保有の世帯が38.3%と約4割にものぼることがわかります。
次に、二人以上世帯の貯蓄額を見てみましょう。