HEROZ、上場後初の決算は増収増益 将棋AIで培った「実戦的AI」を多方面へ展開

2018年6月14日に行われた、HEROZ株式会社2018年4月期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。IR資料

スピーカー:HEROZ株式会社 代表取締役 CEO 林隆弘 氏
HEROZ株式会社 取締役 CFO 経営企画部長 浅原大輔 氏

2018年4月期決算説明会

林隆弘氏(以下、林):ただいまご紹介にあずかりました、代表取締役CEOの林と申します。本日は、お忙しい中お集まりいただきまして誠にありがとうございます。

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本日ご説明させていただく資料は、4部構成となっております。事業概要、2018年4月期決算概要、2019年4月期業績予想、そして成長戦略となっておりますので、聞いていただければと思います。

会社概要

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さっそくではございますが、あらためまして、会社概要をご紹介させていただきます。

このHEROZという会社は、2009年4月に創業いたしまして、進行期の2019年4月期で11期目となっております。

「1人でも多くのヒーローを誕生させたい」という願いから、「HEROZ(ヒーローズ)」という社名を付けまして、現在に至っています。

資料にも書いてございますが、創業者の林・高橋(知裕氏)の2名は、前職NECでは技術開発職でともに仕事に携わり始めました。一方で、子どものときからの私の趣味が、将棋でした。趣味が高じて当社の事業を始めております。

プロの羽生(善治)永世七冠と対局したときの写真が、(スライドの)右側にちらっと載っています。

このように、かなり本気で趣味の将棋をやっておりまして、その過程において、私自身が将棋で強くなるために、「何かいいトレーニング方法はないか?」「強くなる最短のメソッドはないか?」と(考えました)。そのような中で、まず注目したのが、「将棋のAIを、自分のトレーニングに活用できないか」ということでした。

将棋AIとの出会いが、創業の経緯としては非常に大きく、実際に(当社を)2009年に創業したあとに入ってくるメンバーは、基本的には(将棋AI関連の)エンジニアが主体でございました。

その中で、私の将棋つながりの知り合いの方々にも、ジョインしていただきました。当社にジョインした方々は、東大将棋部等のレギュラーのメンバーなど、偶然にも将棋に興味ある方々がほとんどでした。そのような方々は、今で言う情報系の職種でした。今ではもう(言葉としては)一般的になりましたけれども、機械学習などをやっているメンバーが、そのような将棋つながりの方々には、非常に多くいました。

それが、現在のAIビジネスにつながっていきます。当社の最大の特徴は、そのような将棋AIなどの機械学習を中心としたエンジニアの集団であることだと思っていただくと、わかりやすいかもしれません。いろいろなサービスを開発し、事業をフォーカスする過程でわかったことが、そのエンジニアたち及び彼らの技術力こそが当社の持っている競争の源泉、すなわちAI技術だったということです。2012年・2013年あたりから、そこ(AI)によりフォーカスしていきました。

次に(スライドの下部について)ご紹介しますが、本日出席させていただいておりますのが、私林と、同じく共同代表の高橋。そして、CFOの浅原(⼤輔氏)となっております。

頭脳ゲーム領域で世界のAIトップランナー

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そのようなメンバーで当社を運営しております。まず、頭脳ゲーム領域(のAI)について、ご説明します。こちらに書いてございますが、頭脳ゲーム領域では、古くは「DeepBlue」というIBM社のチェスのAIが、非常に強いAIでした。

時を越えて、直近では当社エンジニアが開発した将棋AI(「Ponanza」)が2013年に現役プロ棋士に初めて勝利する、という偉業がございました。そして2017年に(将棋AIの「Ponanza」)が、時の名人……現在も名人ですが、佐藤天彦名人に勝利したということで、ニュースにもなりました。

その同時期に、Googleのグループ会社のDeep Mind社が(開発した、囲碁AIの)「AlphaGo」で、プロ囲碁棋士に勝利したということがございました。

BtoBサービス:収益モデルと⾼いスイッチングコスト

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我々の最大の特徴は、その頭脳ゲームAIのトップランナーとなった当社AI技術です。そして、その将棋AIで培ったテクノロジーを、他の産業に活かしていることです。具体的にはBtoBサービスとしてさまざまな領域の産業に、我々のAIを活用していただくところが、主な当社のビジネスモデルとなってございます。

こちらの(スライドの)右側に書いてございますように、当社では、将棋AIで研究開発した技術を礎といたしまして、それを標準化し、もちろん将棋AIそのものではございませんが、いろいろなビジネスで使える「テクノロジー」としてまとめて(BtoBサービスとして展開して)おります。「テクノロジー」というのは、機械学習……いわゆる、マシンラーニングやディープラーニング(深層学習)になります。

このようなものを、体系化してサービスとしてまとめ、「HEROZ Kishin(ヒーローズ キシン)」というMLaaS(Machine Learning as a Service)の仕組みとして構築させていただきました。

この「HEROZ Kishin」の「Kishin」(の由来)は、将棋の「棋」に「神」という日本語です。将棋(をもと)に取っているのですが、「棋神」を英語にしています。世界を変えていきたいという思いを込めて、「HEROZ Kishin」という英語名称で、サービスを開始させていただいております。

ポイントとしましては、「HEROZ Kishin」でデータをお預かりし、我々はまずはじめに初期設定をさせていただきます。すなわち、パートナーさまやクライアントさまから(初期設定)フィーを一部いただきます。

「HEROZ Kishin」は、インプットデータをどんどん学習することにより、アウトプットの精度も継続的に向上していきます。向上していくことにより、お客さまにはメリットが生じます。そのメリットが、我々には継続フィーというかたちで還元されます。

そのようなモデルになっているとご理解いただければ(当社の収益構造が)わかりやすいのかなと思います。

BtoBサービス:棋譜を企業データに置き換えてサービス化

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具体的には、6ページにシンプルに書いていますが、将棋の棋譜データを「HEROZ Kishin」に学習させます。学習させることによりまして、いろいろな(将棋の)特徴を抽出するんです。例えば、ある一定の法則……3駒関係やいろいろな評価関数を、機械学習によって抽出します。

機械学習によって、特徴量に基づいたロジックを(機械が)構築することにより、(将棋AIが)将棋の名人を超える強さになっていくことが、事象としてございました。

これを同じく、例えば建設業界の……とくに、構造設計に応用いたします。構造設計データを「HEROZ Kishin」で学習することにより、(構造設計に必要な特徴量を抽出し)一級建築士をサポートする建設AIを開発していることが、1つの事例としてご紹介できます。

この「HEROZ Kishin」のMLaaSの仕組みは、SaaSモデル(やIaaSモデル)のように、サーバ上に置いており、そこでデータをお預かりして、どんどん学習していきます。

我々には「ソフト(AI技術)の部分で、競争の源泉がある」というお話をさせていただきました。このAIの専業企業として、今後はさらにマシンにも投資していき、学習のハード環境・ソフト環境を最大限強化することにより、競争の源泉(を活かし)、顧客価値の最大化を図っていきたいと考えております。

BtoBサービス:HEROZ Kishinに含まれるエンジンと適⽤例

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続きまして、7ページです。「『HEROZ Kishin』に含まれるエンジンと適用例」と書いています。

こちら(スライドの左側)は、「HEROZ Kishin」の中でも、主によく活用するエンジン……言い換えますと、アルゴリズムです。このアルゴリズムの代表例が、この10個となっております。

頭脳ゲームエンジン・ゲーム開発エンジン・経路最適化エンジン・配置最適化エンジン・予測エンジン・最適解探索エンジン・分類エンジン・異常検知エンジン・文章処理エンジン・画像認識エンジンとなっています。これらのエンジンを各産業に向けて組み合わせて最適化していくということです。

次に、(スライドの)右側の各種技術・開発運営ノウハウを書いています。サンプルとして、(領域を)6つほど載せています。

建設や人材、そして、品質管理……いわゆる、テスト市場です。そのような分野や、金融・ロボット・エンターテインメントなどの領域に、これまで当社の「HEROZ Kishin」を提供させていただきました。

例えば建設関係ですと、構造設計分野におきまして、株式会社竹中工務店さまを(資本業務提携を実施しながら)支援させていただいています。

品質管理(テスト市場)ですと、株式会社ハーツユナイテッドグループさまと、資本業務提携をさせていただいています。

金融関係では、市場予測等の領域について、マネックス証券株式会社さまをはじめとして、AIサービスとして提供させていただいています。

エンターテインメント領域では、例として「頭脳ゲームAI等」と書いています。こちらの資本業務提携先としては、株式会社バンダイナムコエンターテインメントさまと株式会社コーエーテクモゲームスさまなどがございます。また、株式会社ポケモンさまがお持ちのタイトルにもゲーム開発エンジン等を提供させていただいています。そのようなかたちで、業務提携を組ませていただいています。

かつ、(スライドの)下に書いてございますが、我々の注力領域の1つでもある、建設AI。こちらの分野では、2017年に株式会社竹中工務店さまと資本業務提携をさせていただいたというお話もしましたが、それに加えまして、今年(2018年)はi-Constructionの会員となりました。

AIをより良く活用して、生産性が高い建設現場の創出に(当社も)一体となって、みなさんが住んでいる街や国に対しても、我々のAIが貢献できないかということです。新しい未来に貢献できることを、我々としても非常に楽しみにしているという状況です。

BtoCサービス:アプリユーザーからの課⾦収⼊

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続きまして、8ページ目です。8ページ目は、主にアプリのBtoCの領域になります。

こちらのBtoCサービスでは、『将棋ウォーズ』を中心とするストラテジーゲームのアプリがございまして堅調でございます。もともと、この将棋の分野は(当社は)非常に強いAIを持っています。『将棋ウォーズ』は、本当にシンプルなビジネスモデルです。

一つは、サブスクリプションというモデルです。Amazonプライムとか(でも使われているような)、いわゆる月額課金モデルです。1日3局までは無料でも、無制限に対局するためには、(「プレミアム」の場合)月に600円から課金をしていただくというかたちです。もう一つは、名人の考えるような手を、対局中に代わりに指してもらえるようなAI課金のようなものです。

人と人との(オンライン)対戦の中で、どうしても(自分の代わりに)指してほしいときが、けっこうあります。そのようなときに(使えるお助け機能が)「棋神」(将棋AI)と言うのですが、これが代わりに指してくれるということです。120円(「棋神」1回分)で5手自動で指してもらえます。2012年という非常に早い段階で、AI関連サービスでマネタイズできていた(プレーヤーとしては)、当社が代表格なのかなと考えています。

『将棋ウォーズ』これはオンライン対戦のアプリなのですが、1日にもう25万局以上は対戦されており、1秒間に3局程度はマッチングされる、非常に巨大な対戦プラットフォームになっています。

HEROZの優位性

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続きまして、HEROZの優位性を、9ページにまとめています。

まず、将棋で培われた実績のあるAI技術。我々は「実“戦”的AI」と呼んでいます。これは本当に、当社の最大の特徴なのかなと思っています。

この機械学習が導入される以前は、プログラマーが手作業で「歩は100点」「香車は300点」「桂馬は400点」「銀は500点」など(将棋が強い人の思考パターン)を一生懸命点数化して、一番高い点数となる指し手を選ぶということ実装するために、一生懸命プログラミングしていました。

これは(何が必要かというと)まず、プログラミングができなければいけないという点。あと、将棋にかなり精通していないといけない点。「それ(将棋の指し手)がいいか悪いか」を判断する能力が必要です。

これはエキスパートシステムに近く、実装するためには三段くらい(の将棋の棋力)が(プログラマーに)必要だったということで、(プログラマーにとっては)わりと……「え、プログラミングもできて、将棋も強くなきゃいけないの?」という、非常に厳しい条件でした。

でも、このやり方では、有段者レベルになるまでにも何十年もかかって、非常に大変でした。

(従来のAI開発手法だと)「(プログラマーが)対象領域に精通しなければならず、それが大変」というのは、今お話ししたとおりです。そういう背景もあり、実は機械学習は、(エキスパートシステムに代わるものとして)将棋AIの世界ではわりと早くから取り入れられていました。大学の研究テーマとしても非常に盛んで、けっこう将棋AIなどがテーマとして続いていたんです。2000年代から研究が盛んになってきました。機械学習が(将棋界には)当時いち早く、各領域での参入に先んじて、取り入れられたということです。

このとき(機械学習導入時)に一番大きかったものとして、「コンピューターによる全幅探索」と「機械学習による評価関数」と記載しています。こちらの図に描いてございますように、(例えば)玉歩金の3駒関係について、将棋を図(直角三角形)として捉えてしまうということです。将棋を指される方からすると、すごく信じられないような……「将棋って(相手の手を)読むゲームだよね」と。実際、読むゲームなのですが。

(指し手を)読む前にこれを図として捉えて、ビッグデータ、すなわちプロの棋譜データを収集して、それを学習させます。その結果、例えば羽生(善治)さんとか藤井(聡太)さんのようなプロ棋士が「どのような手を指すのか」「どのような手に勝つのか」「どのような特徴があるのか」を(収集して機械学習しながら)、人間にはわからない、いわゆる「特徴量」を抽出しました。

特徴量としては、例えば、3駒関係等の局面評価関数がございます。この(図の)形がいいか悪いかによって、点数化してしまうんです。単に駒の価値計算を計算機が行うだけではなくて、(図の)形から(機械学習により)点数化する。その点数化された仕組み(評価関数)を用いて、「今は自分がプラス何百点」「この形なら、プラス300点」などを計算し、合計点が一番高くなる手を正解手として、自動的にその手を指すと。

もう本当に(プログラムとしては)素朴なシンプルなものだったのですが、実はこの技術が、後に名人を超えてくるまでになる、非常に革新的なテクノロジーだったということです。

その(機械学習による)ロジック構築の精度向上に加えまして、最近はさらにマシンパワーが増したことによりまして(学習速度がさらに上がっています)。これは、GPUもTPUもそうなのですが、処理をするマシンパワーが増大したことによりまして、さらに学習速度が上がっているということです。

イメージ的には、前年(2017年)、もうすでに名人を超えたAI。このAIに対して、さらに翌年には、さらに九十数パーセント(の確率で)勝つくらいの勢いで、毎年成長を遂げているということです。

マシンパワー増大に裏打ちされた機械学習技術は本当に、革新的な技術です。もう今では、強化学習という手法で、自立的に強くなっていく。どんどん自己対戦させて、自分の棋譜を貯めて、さらに強くなっていく。そのようなことを繰り返しているのが、現状です。

このような将棋AI構築を繰り返してきた我々としては実戦的AIを売りにしております。(実戦に裏付けられた)AIエンジニアがたくさんそろっているところが、我々の強みでもあります。

我々が今行っていることとしては、実戦的AIを各社さまと組ませていただくことによりまして、パートナーシップ戦略をもって、実質的には高いスイッチングコストが発生しているということです。

この「高いスイッチングコスト」とは、決して我々が強制しているわけではございません。(「HEROZ Kishin」を)入れさせていただいた企業さまでは、例えば構造設計支援や、頭脳ゲームAI、テストの自動化などを含めまして、「HEROZ Kishin」が日々、どんどん学習しています。私がこうして話している間や、休んでいる間にも(笑)。

今は、雇用問題が(社会的に)非常に厳しい状況ではございますが、このAIに関しましては、365日24時間フル稼働です。このようなかたちで、とにかく学習成果を上げる。そして(「HEROZ Kishin」の)スペックが上がることによりまして、さらにその学習の速度を上げる。このようなことが、今起こっています。

簡単ではございますが、私から事業概要について、ご説明差し上げました。続きまして、2018年4月の決算概要につきまして、浅原よりご説明申し上げます。

2018年4⽉期 業績概要

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浅原大輔氏:それでは、2018年4月期の決算概要につきまして、私浅原からご紹介いたします。

2018年4月期の実績と、2018年4月期の業績予想を並べております。こちら(表の右端)に「達成率」と書いてありますが、売上高・営業利益・経常利益・当期純利益とも、業績予想を上回る水準で着地いたしました。

ここで、業績予想の立て方について説明させていただきます。業績予想作成時点において、BtoBについては比較的確度が高いと考えられるプロジェクトのみを、積み上げて策定しました。

2018年4月期においては、時間が進行していくと(それにつれて)新たなプロジェクトが見えてきて、それが売上に繋がったために、実績が業績予想を上回りました。

また、BtoCについても、業績予想を上回った水準で着地いたしました。

業績推移

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こちらに、業績推移を書いてございます。

2017年4月期と2018年4月期を比べますと、大きく変わっているのが、売上高もさることながら、営業利益率(折れ線グラフ)の変化になります。

営業利益率が、2018年4月期には30.7パーセントと、大きく改善しております。こちらの主な要因となっているのが、AIのBtoBサービスの拡大になっております。BtoBサービスの売上は、2018年4月期は前期比約4.7倍に成長しました。

BtoBサービスの利益率は比較的高くなっておりますが、それが大きく拡大したこと等により、全社として30パーセントを超える営業利益率を達成することができました。

貸借対照表

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こちらは、貸借対照表になっております。

上場に伴いまして、7.16億円の資金調達を行ったこと等によって、バランスシートを拡大しています。

なお、こちらの数字には、IPO時のオーバーアロットメントによる資金調達は含まれておりませんが、オーバーアロットメント相当分は、(2018年)5月に、すべて(追加的な)資金調達に繋がっております。

当社が注⼒する業績指標について

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続きまして、2019年4月期の業績予想をご紹介いたします。まずはじめに、当社が注力する業績指標をご紹介させてください。

当社では、EBITDAを重要な業績指標と考えてございます。こちらは、営業利益に各種償却費を加えたものとなってございます。

こちらを採用させていただく理由ですが、AI関連事業におきましては、サーバへの投資の必要があると考えています。

クラウドサービスを使った機械学習も、当然ながらやっていますけれども、自社で固定資産としてのサーバを持って機械学習を行うことも、事業の拡大においては重要ではないかと考えております。

当社の場合、(例えば)建設領域ですと、CADデータといった重いデータを扱いますので、機械学習用サーバのマシンパワーは極めて重要になってございます。しかし、そのための自社サーバ構築により発生する償却費(一過性の償却負担)に左右されることなく事業を成長させていきたいということで、当社はEBITDAを重要視しています。

また、現在は具体的には予定しておりませんけれども、将来的にM&Aを行った時には、のれんの償却費も各種償却費に含まれます。

2019年4⽉期 業績予想

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続きまして、2019年4月期の業績予想になります。

売上高は13億円、先ほどのEBITDAは4.5億円と見込んでいます。

内訳ですが、BtoBサービスが約2倍(2018年4月期比)になると見ております。BtoCサービスにつきましては、少し減少すると見込んでいます。

BtoCの中でも将棋等については、引き続き堅調で微増を見込んでいますが、当社では2018年4月期後半においてBtoCに含まれていたアプリを一部シャットダウンしております。それらの売上が2019年4月期には乗ってこないので、仕上がりとしては、BtoCは少し縮んだように見えますけれども、結果としては、(残存することになる)主力の利益率の高い商品のみで売上は構成されることになります。例えば、(主力商品の)『将棋ウォーズ』は微増を見込んでいます。

また、全社売上高の伸び約1.5億円に対して、EBITDAの伸びは約1億円となっております。BtoBサービスは利益率が高いビジネスとなっておりますが、ここのEBITDAマージンの限界利益率(1.0/1.5)を見ていただきますと、それが見えてくるかと思います。

なお、BtoBサービスにつきましては、初期設定フィーと継続フィーという2種類で構成されていますけれども、(各プロジェクトにおいて初期設定フィーから)継続フィーに移行すると、当社にとっては利益率が高くなります。継続フィーがどんどん積み上がると、利益率は高くなっていくということになっております。

しかしながら、成長のためには新しいプロジェクトをどんどん展開するということが必要なので、それだけ初期設定フィーも積まれることになり、単純に時間と共に全体に占める継続フィーの割合が上昇するわけではありません。

成長戦略については、代表取締役の林からご説明いたします。

私たちの志

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林:最後になりますが、成長戦略をお話ししたいと思います。

まず、あらためて申し上げますが、私たちは創業以来、AIにシフトしていった会社です。我々の会社は、社会では、非常に業界的にもベンチャー企業的にも珍しいといいますか、いち早くこのようなことを考えて、取り組んできた会社です。そのように、我々も自負しています。

その中で、私たちの志として、「人工知能(AI)革命を起こし、未来を創っていく」というビジョンを第一に掲げています。我々のAIによって、どのような社会インパクト・経済インパクト(を生み)、そしてどのように社会を前進できるのかと。

我々の意思決定を行ううえで、そして事業領域を特化していくうえで、非常に大きな価値といいますか、礎になっているのかなと考えております。

具体的に申し上げますと、今いろいろなかたちで、AI化といった領域の進化が進んでおります。本当に、日進月歩の業界でございます。現状の社会全体としましては、とにかく人手不足といいますか、国内におきましても、直近では人口がどんどん減少していきます。

そのような中で、現状は、「AIが人の仕事を奪う」という時代ではなくて、「AIが人をサポートする」という時代……人手不足問題をサポートするためには、(AIは)もう欠かすことができないと、私は強く感じております。

そのような中で、いろいろな会社がございますが、我々は(さまざまな)業種・業界で、とくに我々の強みの「実戦的AI」が活きるかたちで、目先の収益だけではなく、3年後、5年後、そして10年後に、我々のAIがみなさまの日常に溶け込んでいく(ことを目指している)といいますか。

例えば、建設業界におきましては、建物が建っている中におきまして、我々のAIがきちんと良い仕事をして(さまざまな部分の)制御に関わっています。また、エンターテインメントの世界では、我々のAIが(さまざまな)データを収集して、制御して、コントロールできていくようなかたちです。

そのようなところで、何年も縁の下の力持ちといいますか、そのようなかたちで貢献できたら、我々としてはうれしいなと考えております。

中⻑期的な成⻑戦略

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具体的に「中長期的な成長戦略」として、スライドにまとめてございます。

こちらにも記載しているとおり、BtoB領域におきましては、とにかく産業向けのAIサービスの提供を加速させていきます。

BtoC領域は、引き続き、将棋AIや各種頭脳ゲームAIで、収益貢献と安定化を図っていくことを体制化して、さらにトップラインを増やしていくところを考えています。

大きいところに関しましては、これまでBtoC(安定的なCF)等で培ってきたAIのテクノロジーを活かして、今期につきましても、引き続きBtoB領域(成長市場)の成長を(継続)させていきたいと考えております。

その中でも、とくに重要視していることがございます。IPOしたことによりまして、ありがたいことに、おかげさまで非常に(多くの)ご相談件数をいただいております。おかげさまで、(当社に対する)ニュース性のあるような取材件数も、さらに増加しているかたちです。

パートナーシップ戦略・知財戦略・人材採用にも、注力していきます。とくに、上場したことによりまして、信用力アップによりけっこう大きな会社さまとのお取引のお話もいただけるようになったことが、(当社にとって)非常に大きいことでございまして。

やはり、上場している会社さまや、大きな規模の会社さまは、どうしても「(取引)相手は上場しているのか?」というようなかたちで(お考えのことが多く)、以前から当社に(対して)も「取引したいから上場してください」と、(取引先から)言われるようなニーズが強くて。

そのような意味では、(当社が)IPOしたことが、新規領域への拡充・ブランド力の向上という面で、大きく寄与してくれるのではないかと考えております。

あと、今回のIPOによりまして、資金調達をさせていただきました。これによって、サーバ等への投資をすることによりまして、より競争力を強化していくといったところです。

その投資するサーバを、さらに高性能のサーバ……いわゆる、学習に向いているサーバなのですが。これをさらに活用しまして、コア技術であるAIを建設・金融・品質管理・エンターテインメント領域等の部分に、積極的に活用・展開していきたいと考えています。

成⻑戦略実現に向けた取り組み:AI研究開発体制の強化

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続きましては、20ページ目です。成長戦略実現に向けた取り組みというかたちで、AI研究開発体制強化も、日々実施してございます。

今年度(2019年4月期)に入りまして、(2018年6月14日時点で)もう2ヶ月目に差し掛かったところです。我々は(新しい期が)5月から始まっていますので、2ヶ月経っているということです。

その中で、AIエンジニアを4月(2018年4月期第4四半期)に4名ほど採用しました。博士号保有者がさらに3名追加されまして、修士号保有者はさらに1名増えたということです。

人員採用という面では、計画上も順調でございます。増員により開発リソースを拡大して、さらにマシンスペックも上がってることにより、(これらを)掛け合わせて、生産性を大いに拡大しているところです。

マシンスペックの拡大という面では、こちら(スライド下部)に記載してございますが、2019年4月期に、機械学習用の自社計算サーバを2億円ほど投資予定です。

自社計算サーバのイメージを、このように(スライド右側に)記載しています。大量のデータ……例えば、CADデータ等を活用した研究開発も可能になります。

また、AIのBtoBサービスを提供するときに、初期設定に要する時間を短縮することが可能にもなります。学習させるときは、まず、お客さまからデータをお預かりします。

それを学習させるための効率の良いアルゴリズムを書くことと同時に、GPUの性能を上げますと、学習する期間が非常に短縮化できるということです。我々が資金調達をして設備投資した、最大の効果となると考えております。

なので、そのサーバ費用に関しましては、先ほどの(浅原氏の)EBITDAのお話で少し触れさせていただきましたけれども、償却費は出しても、持続的なEBITDAの成長には注力していきたいと考えております。

ちなみに、今回(2018年4月期第4四半期)はエンジニアが4名増えていますが、(全社の)比率的には、全メンバーの約3分の2超がエンジニア・AIエンジニアになっております。その中で、博士は35パーセント、修士は35パーセント、学部は30パーセントくらいの比率となっております。非常に精度の高い(AIを開発できる)エンジニアや、各業界でも名前が通っているエンジニア等が、続々と入社してきているところです。

これらにより、我々の競争力強化という面では、さらに強化されたと確信しております。その確信を持って、社会の前進に寄与できればと考えております。

簡単ではございますが、ご説明させていただきました。ご清聴いただき、ありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

参考記事

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