6. 年金制度は正しく理解する必要がある
少子高齢化が進む日本において、「年金制度は維持できない」「将来は年金が受け取れなくなるだろう」という意見が発信されることがあります。
確かに賦課方式で運営される日本の公的年金制度では、高齢化率の伸びで苦しくなることが予想されます。
しかし、国民皆年金である以上「自分のお金は自分で積み立てる」と決めて保険料を未納にすることはできません。滞納扱いとなり、最悪の場合は財産が差し押さえられることもあるのです。
老後生活に不安を抱えるのであれば、「公的年金で足りない分」を、自助努力で貯めるという視点が必要です。
特に寿命がわからない状態で「終身でもらえるお金」を自分だけで確保するのはなかなか難しいものです。まずは年金の見込額を知った上で、適切に備えていきましょう。
7. まとめにかえて
収入ごとの年金目安額が厚生労働省より公表されました。
- 夫が報酬54万9000円+妻が報酬37万4000円:33万4721円
- 夫が報酬43万9000円+妻が報酬30万円:29万4977円
年金に興味を持った方は、ぜひ夫婦のねんきん見込額を調べてみましょう。
そのうえで足りない分を、自助努力で備えていく必要があります。老後対策は貯金だけではありません。
- 働き続けるためにスキルを磨く
- 健康を維持するために健診を受け続ける
- 老後も資産運用を活用し、資産が減るスピードをゆるやかにする
- 厚生年金の加入期間を伸ばして年金額をあげる
- 不動産収入などの不労所得を得る
- iDeCoや個人年金保険などで独自の年金を作る
老後までの期間が長い人ほど、選択肢は多くなります。
今からできることを検討し始めてみましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「年金振込通知書」
- 厚生労働省「これまでの年金部会も踏まえてご議論いただきたい論点」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
太田 彩子