リーダーシップは訓練で伸ばせる?ありがちな誤解を解いて能力を伸ばそう

「リーダーシップ」には、生まれ持った才能であるというイメージがありますよね。確かに子供の頃からみんなを引っ張るリーダー気質を持った人は多くいます。

しかしリーダーシップとは単にメンバーの先頭に立つだけではなく、いろいろな解釈が存在する能力といわれています。
この記事ではビジネスの場に求められるリーダーシップについて解説します。

目次

1. そもそもリーダーシップとは何か
2. リーダーシップが必要とされる理由
3. リーダーシップとマネジメント、その違いは?
4. リーダーシップはスキルである
5. 「良いリーダー」はどんなリーダー?
6. リーダーシップのよくある誤解
7. リーダーシップ研修の内容は?
8. おわりに

そもそもリーダーシップとは何か

リーダーシップとは、部下をまとめる立場にある「リーダー」が、まとめられる立場である「メンバー」との間に存在する気持ちを一つにするため働きかけることです。みんなの先頭に立ってグイグイ引っ張っていくことがリーダーシップと思われがちですが、実際はそれだけではありません。

リーダーシップには6つの類型があり、どのスタイルが適しているかは、リーダーやメンバーの性格やそのとき抱えているタスクによって異なります。

「ビジョンリーダーシップ」

共通の夢や目標を持ち、それを実現するために周囲を動かすスタイルのリーダーシップです。動機となる夢や目標は明確でなければなりません。理想論であり実現するのは難しいスタイルといわれることもありますが、総合的に考えると非常に有効なスタイルといえます。

「コーチングリーダーシップ」

メンバーの可能性を組織の目標に結び付けていくスタイルです。リーダーがメンバーを指導する能力が必要になるでしょう。

「調整リーダーシップ」

メンバーを意思決定に参加させる、民主的な側面を持ったスタイルです。新しい意見を広く集めることができるので、アイディアを発掘したり、協調性を養うのに向いているでしょう。

「仲良しリーダーシップ」

リーダーがメンバーと同じ目線に立ち、信頼を得ることで友好的な関係を保つことを重視するスタイルです。メンバーの感情を尊重するため、目標が後回しになってしまうケースがあります。

「ペースセッター型リーダーシップ」

リーダーが自ら手本となりメンバーを牽引していくというスタイルです。リーダーに高い能力が求められるでしょう。

「指示命令リーダーシップ」

リーダーが強制的に命令を下すスタイルです。単純な労働には向いていますが、リーダーの権限が大きいため、正しく使いこなせていないと、メンバーから反感を買う可能性もあります。

日頃から自分に合ったスタイル、チームに合うスタイルを模索しておくと、いざというときに能力を発揮しやすくなるでしょう。

リーダーシップが必要とされる理由

近年では、リーダーシップはごく限られた優秀な人間が持っている能力ではなく、会社で働く一人一人が訓練によって身に付けておくべきスキルであるといわれています。ではなぜ、リーダーシップが必要とされているのでしょうか。企業を取り巻く環境は刻一刻と変化しており、いるからですこのような環境下で企業が求める人材は、単に上司の命令に従うだけではなく、自ら考えて能動的に行動する人といわれています。この「能動的に動く」ということが、リーダーシップが求められる理由です。

リーダーシップとは突き詰めると「いい意味で周囲の人間を巻き込んで物事を成し遂げる」能力といえます。メンバー一人一人の力が弱くとも、それらがまとまれば大きな目標を達成することも可能なのです。しかし各々の方向性や持っている目標がバラバラではまとまることができません。リーダーシップを発揮することで、チームの繋がりを強固にすることができるでしょう。

また、リーダーシップは組織に属する一人一人に求められる能力でもあります。単にリーダーについていくだけではなく、メンバーもビジョンを掲げて組織を動かすことの大変さを知っておくことで、優れたメンバーとして働くことができるからです。また、リーダーシップを持つ人はいろいろな場面で組織を円滑に動かせるようになるのといわれていますので、どう動けば効率よく働くことができるかを適切に判断できるようになるかもしれませんね。

リーダーシップとマネジメント、その違いは?

リーダーシップとマネジメントの違いをすぐに説明できるでしょうか。。日本では混同されがちなこの2つの能力について、しっかりとおさらいしておきましょう。

リーダーシップの定義は、定められた目標を達成するため、集団活動を導く能力のことをいいます。対してマネジメントは、目標達成のために必要な要素を分析、管理し、集団活動の維持や促進を担う能力のことです。

この2つの違いはその役割にも表れています。まずリーダーシップに求められる役割には「ビジョンを示す」「模範となる」「組織全体を整備する」「権限を委譲し補佐する」などがあるとされています。リーダーは組織がどこへ向かうべきか示し、自らが模範となって信頼を得ることが必要でしょう。 

対してマネジメントに求められる役割には「目標の達成」「集団活動の維持や調整」が挙げられます。マネジメントの最大の役割は目標を達成することであり、そのためにどのように物事を進めていくのか決める必要があります。集団活動を維持調整も重要な役割で、進行状況や現状把握はもちろんのこと、モチベーションの維持や規則順守の徹底なども担います。

マネジメントの方が、リーダーシップよりもより実務的な能力といえるでしょう。

リーダーシップはスキルである

リーダーシップは持って生まれた才能というイメージが強いですが、実は訓練することで伸ばすことができる後天的なスキルです。では具体的にどのようなスキルなのでしょうか。

リーダーに求められるスキルには「タスクを明確にする」「正しい権限委譲を行う」「正しい評価を行う」などがあります。具体的に見てみましょう。

まずリーダーは、組織のメンバーに方向性を示し、目標を定めることがミッションです。組織にとっての理想像や、具体的な数字を盛り込んだ目標、そしてそれに至るまでの戦略や道筋を示すことで、メンバーがしっかりと働けるようになるでしょう。逆にこれらが見えないと、目的達成のためにエネルギーを集中させることができず、疲労感や閉塞感が現れるようになります。

適切な権限委譲を行うことも、リーダーの重要なスキルです。なんでもかんでも自分でやろうとするのでは全体の組織力が高まりませんし、メンバーも成長しないからです。特に自分からやりたいといってきたメンバーにはどんどん仕事を任せ、成長を促していきましょう。もちろん、闇雲にやらせればいいという訳ではなく、随時チェックを行い、間違っていれば軌道修正を行うことも大切です。

公平な評価も重要なポイントです。自分の好き嫌いを評価に入れるのがご法度なのは当然ですが、平等ではなく公平な評価を心がけ、メンバーが納得できるような処遇をすることが大切です。

「良いリーダー」はどんなリーダー?

どのようなリーダーが「良いリーダー」だとされているのでしょうか。

中立的な立場で物事を判断する

まず良いリーダーの条件として挙げられることが多いのが、中立的な立場で判断できるという点です。組織の中で何か揉め事が起こった時は、どちらの意見もしっかりと聞いた上で、中立的な立場から判断を下す必要があるのです。どちらかに肩入れするようでは、メンバーからの信頼も得られなくなってしまいますよね。

話を聞く能力や会話力に長けている

リーダーはメンバーを引っ張るだけではなく、時にケアすることも必要になります。なかなか自分の意見をいえない人、あるいは自分の主張ばかり押し付けて周りの意見を聞けない人など、その人がどんな人なのか見極めた上で、リーダーは話を聞き出す必要があるのです。

率先して自ら行動する

リーダーが自分の席から動かない、というのではお話になりません。自らが模範となって誰よりも先に動くからこそ、メンバーは安心してその後を付いていくことができます。率先して動けるということは、目的がはっきりと見えていてそこへの道筋がしっかりと立っていることの証にもなります。
ただし、率先して動いてもその動きが遅ければ意味がないでしょう。迅速な行動も、良いリーダーの重要な要素です。

リーダーシップのよくある誤解

リーダーシップについて、いろいろな誤解をしている人は少なくありません。
まず多いのが、リーダーシップを生まれ持った才能だと思っている人です。リーダーと聞くとカリスマ性を持つごく限られた人だけが持つ資質というイメージが湧きますが、実はリーダーシップは誰にでも習得できる「能力」のことなのです。

リーダーシップは、1人で発揮するものではないことも覚えておきたいポイントです。意思決定や計画の作成に自分は関係ない、というメンバーは多くいます。しかしそれではリーダー1人が苦労を背負い込んでしまうことになるでしょう。大切なのは一人一人が自分の役割の中でリーダーシップを発揮し、主体的に行動することなのです。

リーダーシップに関する誤解で非常に多いのが、「リーダーシップとは部下や社員を管理すること」というものです。確かに部下や社員を管理する能力が問われる場面もありますが、リーダーシップの本質はメンバーと目的に共感し、一緒に行動を起こす状況を作ることにあります。部下に厳しく当たったり、指示命令で思い通りに人を動かすことが決してリーダーシップではないことを理解する必要があります。
リーダーはメンバーに明確な目標を示し、分かりやすく伝えることで、メンバーが能動的に動けるようサポートすることが仕事なのです。

リーダーシップ研修の内容は?

リーダーシップ研修とは、対象者にリーダーシップに必要な知識や技能を習得させるための研修のことです。中堅社員や管理職、次世代リーダーなど、リーダーシップが必要となった人を対象に行われることが多いです。

リーダーシップ研修では、リーダーとして求められる役割を認識したり、理想的なリーダー像を把握することからスタートします。時代に合わせて必要とされるリーダー像は変化しており、時代に合った認識を持ち、自分に何が求められているのかしっかりと理解することが重要だからです。その上で仕事の進め方やコミュニケーション能力向上などを目指します。

昨今、リーダーシップ研修は非常に注目を浴びています。その背景には「経営環境の急激な変化」や「成果主義の台頭」、「人材不足」などがあります。ニーズの多様化や産業の成熟化などによって、日本経済はめまぐるしく変化しています。この激しい時代を生き残るために、企業は強い組織を引っ張るためのリーダーを必要としている傾向にあり、年功序列制度に代わって表れた成果主義では、目標達成や課題解決がますます重要になってきます。そのためにも強いリーダーシップが求められているのです。

少子高齢化に伴う人手不足も大きな理由の一つです。少ない人材で最大限のパフォーマンスを実現するには、チームを引っ張るリーダーの質の向上が急務と考えられているのです。

おわりに

リーダーシップは持って生まれた才能によるものだけでなく、訓練によって伸ばすことができる能力です。めまぐるしく変化する日本経済において、今後ますます求められる能力になっていくことでしょう。その一方で、リーダーシップにはいろいろな誤解も根付いています。訓練によって伸ばせる能力であることを理解し、自分に合ったリーダーシップとはどのようなものなのかを探してみてはいかがでしょうか。

LIMO編集部

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LIMO編集部

LIMO編集部は、国内外大手証券会社で証券アナリストや運用会社のファンドマネージャーとして長年の調査や運用経験を持つメンバーを中心に構成されています。金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデア、ビジネスパーソンの役に立つ情報ををわかりやすくお届けします。