3.2 3号分割:夫が会社員、妻が専業主婦の場合

以下のシミュレーション条件で計算します。

  • 夫が会社員、妻が専業主婦
  • 対象期間標準報酬総額:夫7000万円、妻:0万円
  • 分割割合:2分の1ずつ

夫婦の対象期間標準報酬総額を合計すると7000万円です。

計算)7000万円+0円=7000万円

分割割合が2分の1ずつなので、それぞれの対象期間標準報酬総額を計算すると、夫婦共に3500万円となります。

計算)
夫:7000万円×1/2=3500万円
妻:7000万円×1/2=3500万円

対象期間標準報酬総額3500万円の、老齢厚生年金受給額は年額19万1835円です。

計算)3500万円×5.481/1000=19万1835円

妻は、本来であれば老齢厚生年金は受給できませんでしたが、分割することで19万1835円がもらえることになります。

なお、ここまでの計算はあくまでもシミュレーションであり、実際には異なる点にご注意ください。

4. まとめにかえて

離婚する際には、婚姻期間中の厚生年金保険料の納付実績を分割し、老後にそれぞれが年金として受給できます。合意分割と3号分割があり、それぞれ利用条件があるため、制度内容をよく理解したうえで利用しましょう。

年金分割制度は、夫から妻へと決められているものではないため、専業主夫や妻の方が厚生年金保険料が高額な場合は、男性が分割を受けることもできます。

参考資料

木内 菜穂子