1. 奨学金についておさらい
まずは奨学金の概要について見ていきます。
日本で奨学金というと、大きく分けて「給付型(返済不要)」と「貸与型(返済必要)」の2種類があります。
ここでは、最も一般的な奨学金といえる「日本学生支援機構奨学金」について解説します。
日本学生支援機構奨学金は教育機会の均等化を目的に国費で運営されているもので、貸与奨学金には、無利子の「第一種奨学金」と、有利子の「第二種奨学金」があります。
このほかに、入学時の一時金として「入学時特別増額貸与奨学金」(有利子)があります。
基本的に第一種奨学金のほうが成績や世帯収入といった貸与条件が厳しく、貸与金額も限定されています。
第二種奨学金は「利率固定方式」と、いわゆる変動型である「利率見直し方式」が選択でき、利率見直し方式ではおおむね5年ごとに利率が見直されます。
1.1 奨学金貸与のボリューム層は?
奨学金貸与を受けている学生を学校種別に確認します。
日本学生支援機構によると、令和元年度の調査時における奨学生は127万225人であり、そのうちの7割以上が大学生でした。
筆者の周りでも奨学金貸与を受けている人は多く、100万人以上の学生が奨学金制度を利用しているというのは納得の結果です。
貸与型の奨学金は社会人になってから返還義務があります。
実際に、バブル前後の世代では大学生のときに「まあ返せるだろう」という算段で借りた奨学金が、50歳になるまで足かせになったなどの話を耳にすることもしばしば。
社会情勢に振り回されて長いあいだ返済に苦しむのは避けたいところです。将来を見据えて貯金や資産運用をする必要がありそうですが……。
次では奨学金も含めて、イマドキ新社会人のお金事情について見ていきましょう。