4. FPからの提案「老後資金の準備は、先手先手でスタートを」
今回は、今の年金世代が受け取る厚生年金・国民年金のデータを眺めた後、現役時代の収入と老後の年金額の関係についても触れました。
厚生年金を月額20万円受け取るためには、現役時代の平均年収が約720万円であることが必要であることも分かりました。
一方、国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると日本の給与所得者の平均年収458万円。多くの人にとって「厚生年金ひと月20万円」を受け取るにはかなり高いハードルがあることも分かります。
年金額は世帯単位で考える必要があります。家族のライフスタイルに合わせた理想の老後を叶えるために、自分で老後資金を準備する姿勢が大切ですね。
NISAやiDeCoなど、資産運用を少額からスタートできる税制優遇制度を活用してみるのも一案。時間をかけて資金を積み立てていくことで、複利のメリットを最大限に生かしながら資産を効率よく育てていくことにも繋がります。
投資は預貯金とは異なりリスクが伴うことを理解したうえで、税制優遇制度や金融商品に関する情報収集をスタートしてみましょう。老後資金の準備は長期戦で臨む大きなしごと。先手先手でマネープランを立てていけたらよいですね。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「老齢年金ガイド 令和5年度版」
- 日本年金機構 年金用語集「報酬比例部分」
- 国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」
川勝 隆登