5. 【FPアドバイス】どう取り組む?老後に向けた資産形成

さて、ここからは老後に向けた資産形成について考えていきます。

みなさんはどんな老後生活を思い描いていらっしゃるでしょうか。「体力が続く限り働き続けたい」「年に数回旅行に行きたい」「家族とゆっくり過ごす時間を持ちたい」……。

理想の老後は人それぞれですが、まずは目的意識をもって現状把握をすることが大切です。

リタイヤまでにどの程度の資産が作れそうか、老後の年金見込み額はどの程度か、そして、理想の老後を過ごすためにはどの程度のお金が必要になりそうか。

これらをひとつひとつ把握していくことで、目標に近づくためまであとどのくらい必要かも見えてきます。ゴールから逆算して、資産形成に取り組んでみるのです。

自分に向いた資産形成のスタイルを見つけてみましょう。例えば、NISAやiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)といった税制優遇制度の特徴を理解するところから始めてみてもよいですね。

いずれも、投資で生じた利益が非課税になる制度ですが、NISAは好きなタイミングで換金が可能であるのに対し、iDeCoは原則、受給年齢になるまで引き出すことができません。

NISAの流動性の高さを活用して資産運用を頑張るもよし。簡単に引き出せないiDeCoを使って確実に老後資金を確保していくのもよし。ご自身の性格に合うスタイルを探してみましょう。

預貯金とは異なり投資にはリスクがあります。しかし、時間をかけて少額をコツコツ積み立てていくことで、リスクの軽減を図りながら、お金を効率よく増やしていくことに繋がる点も、ぜひ心に心に留めておきたいですね。

6. まとめにかえて

年金制度のしくみや、今のシニア世代が受け取る厚生年金・国民年金の受給額に関するデータなどを眺めたあと、老齢年金の意外な落とし穴にもフォーカスしてみました。

まずは、ご自身がどの程度の年金を受け取れそうか「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」に目を通してみましょう。老後資金がどの程度必要かを把握することで、老後づくりの目標金額が見えてくるかもしれません。

貯蓄のゴールを定めることができれば、それは、漠然とした不安を解消する第一歩となるでしょう。