最近の20代の働き方に対する価値観は、これまでと大きく変わりつつあります。

株式会社パーソル総合研究所「働く10,000人の就業・成長定点調査2024」によると、20代が勤務条件を選ぶ上で重視することは、「仕事とプライベートのバランスがとれること」と「休みが取れる/取りやすいこと」の2点が高い割合を占めています。

一方で、ワークライフバランスよりもハードワークを選ぶ20代も一定数います。高収入やキャリアアップのために、激務をこなす彼らはどのようなことを考えているのでしょうか。

この記事では、敢えてハードワークを選ぶ20代の仕事観について見ていきましょう。

1. ハードワークを選ぶ20代は何を目的にしているのか

ハードワークを選ぶ20代は、何を目的としてこのような働き方を選んでいるのでしょうか。

1つ目は、高収入を得るためです。営業職など、成果が直接報酬に繋がる職種の場合は、努力次第で大きな収入を得ることが可能です。このため、収入を上げたい、生活水準を上げた暮らしをしたいという強いモチベーションが彼らを突き動かしています。

2つ目は、自身のキャリアアップのためです。彼らは業務を通じて得たいキャリアやスキルが明確なため、短期的な負荷よりも、長期的なキャリアを見据えて業務をこなすことができます。

このことから、多く20代とは異なる価値観でハードワークを選び、その結果として高い報酬や昇進、自己成長を手に入れていると言えます。

2. ハードワークを選ぶ元外資系生命保険営業マンの仕事観

ここからは、ハードワークを重視する20代の元外資系生命保険営業マンからインタビューした内容をご紹介していきます。

外資系生命保険の営業職は、営業職の中でも報酬における歩合の割合が大きく、高収入を目的として入社する人も多いそうです。そのため、20代でも比較的ハードワークを厭わない人が集まる傾向にあります。

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2.1 20代の外資系生命保険営業マンの1日のスケジュール

20代の外資系生命保険営業マンの1日のスケジュールを見ていきましょう。

  • 06:00 起床
  • 07:00 朝活
    • 自身の所属するコミュニティ、主催するコミュニティの運営
  • 09:00 会議
    • 在籍保険会社での進捗状況や、共有事項の打合せ
  • 10:00 商談
    • プレアプローチ面談(初対面、ヒアリングメイン)、アプローチ面談(提案面談)、クロージング面談(契約面談)、保全面談など、日によって面談内容は異なります
  • 12:00 商談
  • 14:00 法人訪問
    • 学校法人・社会福祉法人の飛び込み訪問。法人のアポイント先、継続先などもこの時間に基本的に消化します
  • 17:00 商談
  • 19:00 異業種交流会・イベント参加
    • 異業種交流会や、経営者の顧客が主催する会食等、日によって内容は異なります。
  • 20:00 商談
  • 22:00 見込み客と食事
  • 24:00以降 行きつけのバーで常連さんやお店にいるお客さんに話しかけています。
  • 27:00~28:00頃 帰宅

3. 本人へのインタビュー「あなたはなぜハードワークを選ぶのか」

---かなりハードワークだったかと思いますが、同業種の同世代も早朝から深夜まで働いていたのでしょうか。

同世代には、早朝から働く人は少なかったです。ただ、夜中2時3時まで活動している人はかなりの割合を占めていたと思います。

「稼ぎたい」と思って転職してくる人が集まる職種でもあるので、活動の多さに疑問を持つ人は少ないと思います。他業種と比較するとハードワークな人が多い印象です。

---他業種の同世代の働き方はどうでしたか

他業種の同世代は、ワークライフバランスを重視する人が圧倒的に多いです。職場を選ぶ際に、福利厚生や、年間の休日日数、月の残業時間、転勤の有無などを重視しますし、仕事とプライベートはきっちり分けて過ごす人がほとんどです。

---なぜここまでのハードワークができたのでしょうか

理由は2つあります。

1つ目は、強い使命感です。私は保険を「人を救うことができるもの」と捉えていました。多くの人が保険の本当の大切さに気づいていないと感じることが多々あります。

そのため、私が保険営業として活動することで「一人でも多くの人が保険を理解し、適切な保障を持っていただくこと」を目指していました。

2つ目は、「保険営業を続けることができなくなること」を恐れていたからです。成績が悪ければ自身の生活ができなくなりますし、最終的には退職に繋がります。

お会いしたすべての方がお客様になるわけでもなく、初対面からご契約までは約3か月かかります。「今月契約面談の予定が少ないな」となった時点で、その月に取り返すことは極めて難しいです。個人的に「手を抜ける瞬間」がなかったのでそれも原動力の一つとなっていました。

4. まとめ

多くの20代がワークライフバランスを重視する中で、ハードワークを重視する元外資系生命保険営業マンの仕事観をご紹介しました。

一般的に仕事とプライベートを切り分けて過ごす人が多いと言われている20代にも、目的意識を持ってハードワークをこなすことができる人は一定数いることがわかりました。

働き方には個人の価値観が現れます。自分にとっての優先順位を再確認し、最適な働き方を見つけることが重要です。

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参考資料

三石 由佳