3. 65歳以上世帯の平均貯蓄額は2000万円超、ただし中央値と800万円以上の金額差

総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-」によると、世帯主が65歳以上の世帯における貯蓄金額の平均値は2462万円でした。

より実態に近いとされる中央値は1604万円で、平均貯蓄額とは800万円以上の金額差が見て取れます。

とはいえ、現代の65歳以上世帯には豊富な貯蓄があることがわかるでしょう。

高齢になるほど活動量が減り、基本的な支出が減少することが、豊富な貯蓄を有している一つの要因として考えられます。

また、退職金制度がある企業に勤めていた方の場合、退職金の受け取りと共に一気に貯蓄額が増えたというケースが考えられるでしょう。

4. 65歳以上の「働くシニア」の割合は上昇中

経済的な暮らし向きについて「心配がない」と考える65歳以上の人の割合は約7割。

つまり、約3割の方は何らかの心配や懸念事項があることになります。

経済的な不安がある場合は、65歳以降も可能な範囲で就労するという選択肢があります。実際に、2023年度において65歳〜69歳で就労している方の割合は53.5%でした。

65歳以上の方でも半数以上が働いており、働くシニアの割合は年々上昇している様子がわかります。

「働きたいから働く」「年金だけでは生活できないから働く」など、働く理由は人それぞれでしょう。

いずれにしても、老後生活における経済的な不安を軽減するためには、可能な限り長く働いて勤労収入を得ることが効果的といえます。

5. まとめにかえて

65歳以上の世帯において、多くの方が経済的な暮らし向きについて「心配がない」と回答していました。

実際に、65歳以上世帯の平均貯蓄額は2000万円を超えており、経済的なゆとりを感じている世帯が多いようです。

しかし、3割の方は経済的に何らかの心配を抱えています。老後生活における経済的不安を軽減するためにも、可能な限り長く働くことは有用な選択肢となるでしょう。

参考資料

柴田 充輝