老後生活において受け取れる年金額が気になる方も多いのではないでしょうか。セカンドライフとなる「老後生活」を支えるための大きな収入源である「年金」は、ほぼすべての日本人にとってなくてはならない存在と言えるでしょう。

そんな老後の安定した生活を支えるための「年金」、つまり「国民年金と厚生年金」について、将来どのくらい受け取れるかご存知の方は少ないと思います。

2024年6月21日に開かれた記者会見で、岸田首相は、物価高による家計への影響がより大きいと考えられる年金生活世帯や低所得世帯への追加給付金を検討していると述べました。

年金暮らしが厳しいものであるとはよく耳にしますが、実態はどうなのでしょう。

本記事では、2023年12月に厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、厚生年金と国民年金の受給額を確認していきます。年金生活の実態を覗いてみましょう。

1. 公的年金「厚生年金・国民年金」の仕組み

厚生年金や国民年金の保険料を納めているものの、実は公的年金の仕組みを詳しく理解していないという人は少なくないでしょう。

そこでまずは公的年金の基本的な仕組みを確認していきます。

【写真全12枚中1枚目】日本の年金制度のしくみ。以降では60歳代~90歳以上まで1歳刻みで年金の平均受給額を紹介

日本の年金制度のしくみ

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

日本の公的年金制度は上の図のとおり、国民年金と厚生年金があり、厚生年金は国民年金に上乗せする形で加入します。

このような構造から「2階建て」といわれています。

1.1 国民年金(1階部分:基礎年金)

  • 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
  • 保険料は一律で、2024年度は1万6980円(月額)
  • 納付した期間に応じて、将来もらえる年金額が決まる

1.2 厚生年金(2階部分)

  • 公務員やサラリーマンなどが国民年金に上乗せして加入する
  • 収入に応じた保険料を支払う(上限あり)
  • 加入期間や納付額に応じて、将来もらえる年金額が決まる

現役時代に働くか働かないか、どのように働くか、などにより、将来もらえる年金額に違いがでます。

では、現在の年金生活世帯は、月額いくら受給しているのか。まずは、60歳代~90歳以上までの一覧表で確認してみましょう。