2. 前回の財政検証よりも改善した背景
5年前の財政検証と比較して、所得代替率が改善した背景には主な要因として「労働者の増加」と「厚生年金保険加入者の増加見込み」が挙げられます。
少子化が進む日本ですが、女性や高齢者の労働参加率が向上したことにより、年金財源の確保がより容易になったと考えられます。
また、厚生年金保険料の適用拡大も改善の理由の一つです。
2024年10月から社会保険適用が拡大され、現行制度では従業員101人以上の企業が対象でしたが、2024年10月以降は従業員51人以上の企業に拡大されます。
この適用拡大によって保険料収入の増加が見込まれ、年金財政の改善に寄与すると予想されます。
これらの要因を背景に、今回の財政検証の結果が改善傾向になっているのだとうかがえます。
3. 現在の年金受給額はいくら?
では最後に、現在の平均的な年金受給額を確認していきましょう。
厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金と国民年金それぞれの平均月額は下記のとおりです。
3.1 【厚生年金の平均月額(国民年金を含む)】
- 全体:14万3973円
- 男性:16万3875円
- 女性:10万4878円