4. 老後の年金対策を始めよう
これまで、厚生年金で月額10万円以上受け取れる方の割合を中心に年金について考察してきました。最新のデータによると、月額10万円以上の年金を受給している方は全体の約70%を超えていますが、
平均月額は14万3973円です。多くの世帯にとって、年金だけで生活を維持するのは難しいと感じるでしょう。
4.1 年金だけでは不十分?早めの準備と対策が鍵
老後の生活費を確保するためには、年金以外の収入源を準備することが重要です。以下のような方法で早めに準備を始めましょう。
4.2 iDeCoやNISAの活用
iDeCo(個人型確定拠出年金):所得控除が毎年受けられるため、長期の資金作りに大きなメリットがあります。
NISA(少額投資非課税制度):投資信託などを利用した資産運用に対して税の優遇措置が受けられます。
いずれもリスクはありますが、長期的な視点で考えると大きなリターンが期待できる方法です。ご自身のリスク許容度に合わせて選択しましょう。
5. 老後資金対策は何から始めるか
老後資金対策の第一歩は、自身の年金受給額を正確に把握することです。「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を利用して、自分の受給予定額を確認しましょう。その上で、以下の対策を検討してみてください。
5.1 公的年金を増やす方法を考える
- 働く期間を延長する
- 高収入の職に転職する
5.2 私的年金を準備する
- 企業年金に加入する
- 個人年金保険を契約する
5.3 預貯金を積み立てる
- 定期預金や積立預金を活用する
5.4 資産運用を開始する
- 投資信託、株式、債券などの金融商品を活用する
2024年から新しいNISAがスタートし、資産運用がさらに手軽になりました。公的年金や私的年金に加え、貯蓄や資産運用を総合的に考えることが重要です。
老後資金対策は早めに始めるほど効果が大きくなります。まずは情報収集から始め、自分に合った方法で計画的に準備を進めましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています」
- 日本年金機構「ねんきんネット」
徳原 龍裕