7月3日、5年に1度の「財政検証」の結果が公表となり、少子高齢化や積立金の増加により、5年前の検証結果よりも将来的な見通しは改善されました。
一方で、今後経済成長や労働人口が思うように増え続けない場合、2057年度には所得代替率が50.4%となり年金は現在よりも2割程度目減りする見通しとなりました。
日本の年金制度の抜本的な改革が期待されるなか、現代シニアは年金をいくらほど受給できているのでしょうか。
今回は、日本の年金制度についておさらいしながら、年齢別に現代シニアの受給額を見ていきます。
1. 日本の年金制度は「賦課方式」
まずは、日本の公的年金制度の仕組みについておさらいします。
1.1 国民年金(基礎年金)とは
- 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
- 保険料は全員一律
- 保険料の納付期間に応じて将来もらえる年金額が決まる(全期間納付すれば満額、未納や免除があれば満額から減額)
1.2 厚生年金とは
- 公務員やサラリーマンなどが国民年金に上乗せして加入する
- 収入に応じた保険料を支払う(上限あり)
- 保険料は勤務先の会社と被保険者との折半
- 加入期間や保険料の納付額に応じて将来もらえる年金額が決まる
公的年金は賦課方式を採用しています。
賦課方式とは、年金支給のために必要なお金を、そのときの現役世代の保険料から用意する方法です。
現役世代が年を重ねて年金受給者となった場合は、さらにその下の世代が納める保険料から年金を受け取ることになります。
では、現在年金を受給しているシニアたちはいくらほどの年金を受給しているのでしょうか。
次章でみていきましょう。