2. ミッシングピースを補完して目指す「ウェルビーイング事業」の成長
2.1 SOMPOホールディングスのミッシングピース
今回の提携でキーワードとなるのが「ウェルビーイング」です。SOMPOホールディングスは新中期経営計画において、国内生保・介護・コーポレートウェルネス事業を横断する成長エンジンとしてウェルビーイング事業に注力することを表明しています。
奥村幹夫・グループCEO 取締役 代表執行役社長は記者会見で「高齢化社会の不安は健康・老後資金・介護からきている。かつては家族がその不安を埋めていたが、現代はそれが難しい社会になりつつある。そこで注力していくべきと考えているのが、健康寿命を伸ばすことを目的としたウェルビーイング事業だ」と語り、その重要性を強調しました。
ただウェルビーイング事業を成長させるのは単独では難しいとも考えています。予防医療のソリューションには動的データが必要不可欠ですが、同社は国内最大規模の顧客基盤を持っていながら、顧客との接触機会に課題があり、動的データが不足しているからです。
このミッシングピースを埋める存在としてパートナーに選ばれたのが、全国約1500店舗という規模にまでchocoZAPの出店を拡大しているRIZAPグループです。chocoZAPは入館から運動管理までさまざまなログをアプリに集約しているため、リアルだけでなくデジタルの顧客接点も豊富です。また膨大な動的データを可視化・解析する体制も整っています。
2.2 RIZAPグループのミッシングピース
RIZAPグループはSOMPO顧客(約2500万人)や法人顧客基盤の連携による新規会員獲得、SOMPO系列の介護施設(400以上)や販売代理店との連携による新規出店加速が期待されます。出資によるキャッシュフロー改善で戦略の幅が広がるメリットも大きいでしょう。
ただ、より重要性が高いのは短期的な会員獲得&店舗拡大ではなく長期的な戦略として掲げている「ウェルビーイングデータプラットフォームの構築」において頼れるパートナーを獲得できたことです。
同プラットフォームはヘルスケアに関するあらゆるデータを連携・可視化・解析して新たなソリューションを目指すもので、「データの量と質」が生命線となりますが、SOMPOホールディングスはまさにRIZAPグループがカバーできていない領域のデータを有しています。
RIZAPグループ株式会社の瀬戸健・代表取締役社長は「chocoZAPで収集している運動や健康に関するライフログに、SOMPOの保険・健康診断・介護などのデータを加えることで、共同研究や新しい健康指標、商品の開発などを加速させていく。誰もがウェルビーイングを実感できる社会の実現に貢献していきたい」と連携によって生み出される具体的な成果について語りました。