2018年5月11日に行われた、株式会社ユーシン精機2018年3月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:株式会社ユーシン精機 代表取締役社長 小谷眞由美 氏

2018年3月期実績

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小谷眞由美氏:2018年3月期の実績でございますが、売上高は208億7,800万円、売上総利益は84億6,100万円、営業利益は23億5,800万円、経常利益は24億3,200万円、純利益は16億2,600万円となっております。

非常に台数は出したのですけれども、かなり商品が値引きされまして、利益率が落ちております。今期は、ここのところが難しかったなと考えております。

2018年3月期実績について

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まず売上高ですけれども、前期比7.9パーセント増の208億7,800万円でございました。

取出ロボットは、前期比15.2パーセントの増で販売数量の増加(となりました)。こちらは、(販売が)増加しておりますアジアと国内が、堅調に推移いたしました。

電子部品と自動車関係は、こちらも堅調に推移しております。特注機がございますが、こちらは前期比22.2パーセント減でございました。受注は、徐々に入ってきているのですが、仕様がちょっと決まらず、出荷がまだ受注残としてあります。新規事業分野向けの売上は、今回は低調になりました。

営業利益は、前期比11.6パーセント増の23億5,800万円(でございました)。利益が落ちた理由は、新本社工場建設の減価償却費や税金(租税公課)のところになります。

そして増益は、取出ロボットの販売数量の増加がありまして、ロボットは過去最高の9,404台を販売いたしました。業界では、いちばん売れたかなと思っております。

そして、新本社工場による生産性アップと業務合理化は、この(過去最高の)台数を出したなかで、製造課が今までの古い工場で過去は1ヶ月に60時間ぐらいの残業は平気だったのですが、今はもう40時間ぐらいに(減少)しております。多い人で40時間ぐらい、(または)それを切る20時間だとか。管理部隊は、ほとんど今は残業をしておりません。

少し社員の人数を増やしているのですけれども、働き方改革ということでなるべく残業をしない、土日出勤をしない(としております)。私も、土日は誰かが(会社に)出ればちょっと覗くんですけれども、今回の(2018年)5月GW連休でも、製造課で本当に出勤する人が出なくて、開発で1人~2人出たぐらいで、非常に残業は減ってきております。

2019年3月期予想

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2019年3月期の予想でございますが、(為替レート1米ドル)105円で換算いたしまして、売上高は220億円ぐらいかなと思っております。売上総利益は88億6,000万円、営業利益は26億円、経常利益も26億円。(予想を)少しかためにみているのですけれども、ここのところ利益がちょっと伸び悩んでおりましたので、確実なところでこれぐらい(の予想)にしております。

当期純利益は18億円(としております)。今は、105円よりも110円に近いところを走っていますので、もう少し良い数字になるかなとは思っております。

2019年3月期予想について

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次に、2019年3月期予想ですけれども、売上高は前期比5.4パーセント増の220億円(としております)。

今回は、取出ロボットが前期比2パーセントぐらい増かなと思っております。前期は、非常にロボット(の販売)が出ておりますので、これぐらいかなと思っておりますが、はっきりとはまだわかっておりません。

とくにそのなかで(注力しているのは)、ロボットの台数より新型の「FRA」です。これが売れますと、非常に利益率がいいので、またいろいろなことが変わってくるな、ここを拡販したいなと思っております。海外で受け入れられるかなと(思っています)。

先週も2~3年に1回(開催される)アメリカの大型展示会がありました。ドイツは3年に1回、アメリカで3年に1回、過去は日本で3年に1回で、毎年回っておりました。今は中国が非常に人数も多くて、(開催場所が)上海になっているのですが、今回フロリダでありまして、こちらでもこの「FRA」を5台出しまして、非常に反響が大きくなっております。外国人好みの機械かな、とも思っております。

とくに、自動車と医療関係に今年は期待ができまして、受注残がそこにたくさんございます。特注機が前期比32パーセント増と申しますのは、昨年(2017年)新規開発がちょっと止まっておりましたが、医療向け(特注機)がだんだん決まってきまして、受注残も増えてきております。

ですから、今回はここが伸びるかなと(思っております)。完全に1年半ぐらい遅れているのですが、4~5年前に立てた計画どおりに動き出したかなと感じております。

そして、国内外における自動化ニーズの増加(が予想されます)。とくに今の日本なのですけれども、働き方改革や残業をしないようになっておりますので、特中機や高機能のロボットが売れるような感じになってきております。今も受注残で特注機をもっていますのは、海外の医療だけではなく日本も割合いろいろな国からの補助金も出たり、諸々で増えてきております。

営業利益は前期比10.2パーセント増の26億円(としております)。主力取出ロボットの販売数量の増加による利益貢献、働き方の更なる効率化および生産性アップ、継続的なコストダウンによる収益性向上(が予想されます)。

この継続的なコストダウンですけれども、終わった期は私たちが計画したほどはできませんでした。

これは、とくにメーカーさんで納期が非常になかなか難しいところがありまして、私たちは納期優先でこちらは注文を取っていますので、少し今回は利益率が良くないです。

品目別売上高

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次、品目別売上高(それぞれ2019年3月期)でございますが、下からまいります。

取出ロボットは横ばいぐらいで157億円、特注機は29億円で、ここはもうちょっと伸びそうなんですけれども、予算はこれぐらいでております。そして部品・保守サービス(は34億円で)、これは機械がでるたびに増えていきます。今回はこういう予想を立てております。

地域別売上高

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次は地域別売上高でございますが、国内は横ばい。中国・台湾は、昨年(2017年)は非常にアメリカの携帯のレンズものが、中国・台湾に入っていますので伸びたのですが、これぐらいかなと思っております。その他のアジアは、横ばい(となっております)。

それから欧州は、ここが医療関係で10億円以上伸びるかなと(予想しています)。受注残ももっていますので、これは確実にいけるなと思っております。北米、その他地域も横ばいと予算をつけております。

業種別売上高

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次は業種別売上高ですが、やはり自動車は年々伸びてきております。今回は4億円ぐらい上げております。

電子部品、家電(AV含む)、雑貨(家具・コンテナ等)、容器(食品・化粧品等)、光学はだいたい昨年(2017年)ぐらいの伸び(と予想しております)。医療は10億円、もうちょっと伸びそうになってきております。その他は、ちょっとわかりませんのでこういう数字を入れております。

業種別売上高構成

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業種別売上高の構成です。今やはりいちばん(構成比が)大きいのは、自動車です。自動車のいろいろな部分が、ほとんどプラスチックになっておりまして、メーカーさんが買うのではなく、そのTier1、Tier2の方たち、そこに違う会社さんが参入するとかいろんなことで自動車が非常に増えております。

それと自動化になってきておりますので、今まで人手でやっていたところが自動化というところで、ここの伸びはずっと過去から、予想(していた)よりも多くなっております。

業績の推移

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業績の推移でございますが、今回初めて(売上高)220億円に挑戦ということで、確実に(成果を)あげたいなと思っております。

グローバルネットワーク

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グローバルネットワークです。ここはそれほど変わっておりませんが、ヨーロッパの大陸側で今年中にはなんとか決めたいなと思っております。オランダと長年ご一緒にしていたのですけれども、一応今年(2018年)で契約が切れますので、ここはもう先買権を外そうと思っております。

子会社の業績推移

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子会社の業績の推移でございますが、終わった期は予想より子会社(の業績)も、うまくいってるかなと思っております。韓国では、当社がライバル(企業)のお客様を取れていまして、非常に伸びてきております。今回は、中国は上海が少し(伸びが)弱いかなと思っていますので、こういう数字を入れております。

医療関係ですが、イギリスの子会社で売りが立ちますので、今回(の予想)はいちばん10億円ぐらい乗せております。

貸借対照表

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貸借対照表でございますけれども、今回こういう棒グラフは見えやすいかなと思って初めて載せております。

(右側の棒グラフは)負債・純資産です。こちらもそんなに比率は変わっておりません。

設備投資、減価償却費、研究開発費

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設備投資ですけれども、終わった期は予想(していた費用)以外のところで、ひとつ出ました。

5億円台なのですが、本社の隣地が田んぼでここが買えましたので、(2018年)3月15日ぐらいに550坪ぐらいの当社の敷地は、今は国道の同じところから出入りしているのですが、この土地を購入したことで、北東側からも本社に入れる(ようになりました)。入り口が国道で、出口が北東側から抜ける。こうなりますと、いろんなことで便利になり、通勤も楽になりますのでこの土地を購入しております。

今は工事中でして、まず隣地は田んぼですので、1メートル以下は道路から落ちているので、だいたい夏以降にこれを(道路へ)上げる整地をしまして、使えるのは9月ぐらいかなと思っております。

研究開発費は、ここの予算よりもう少し出るかもしれませんが、非常に前向きに開発の人たちは仕事をしております。自分たちが開発したこの「FRA」は、非常に値段が高く、市場に受け入れてもらえるかどうかですが、本部長やトップの技術開発した社員は「絶対売れる」と言っておりました。

その部下たちや営業は、売れるかどうかというのが不安だったのですが、この「FRA」が高値で売れております。この後申しますが「AI機能でみなさんの仕事が楽になる」というのが受け入れられまして、開発は前向きに進んでおりますので、また(予想より)ちょっと費用は出る可能性はございます。

キャッシュ・フローの推移

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キャッシュ・フローの推移です。非常に今は投資CF等でも使いました。今期は、そんなに使う予定はございません。

中期経営目標

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中期経営目標は、以前(目標を)立ててからなかなか数字が伸びなかったのですが、今回は220億円以上売りまして、なんとか(売上高を)300億円に早くもっていきたいなと思っております。そして、年度末に株を分割いたしました。いろいろありまして、1対2(分割調整後の数字)に分けております。

戦略①:商品力の強化(1)

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商品力の強化でございますが、先ほどから申しております新商品「FRA」シリーズです。これは、アクティブ振動の制御機能を自分たちでも制御できる(ようになっております)。

それから、IoTサービスの「INTU LINE」。これが非常に、今の世の中に受け入れられております。自分の携帯でつながる、社長の携帯でつながる、パソコンにもつながるということで、瞬時に(生産数、稼働率、稼動状況などが)わかります。

それから、写真もずっとカメラで写しておりますから、海外に出張していても携帯やパソコンでその工場の機械の動きがわかる(ようになっております)。今のライバル(企業)には、この機能はございませんので受け入れられております。

人間工学に基づいた新型コントローラも(ございます)。今までは1画面では出ていました。1996年に業界で初めて液晶にしたのですが、これが今は(上下)2画面、スルーしていたところを映せる(ようになりました)。

普通の横型のコントローラが縦型になりまして、(後ろに)手を入れましてここに立てて2画面が映るというコントローラーになっております。そして国際の安全規格対応、これは最高基準の安全規格を入れております。

戦略①:商品力の強化(2)

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この「FRA」なのですが、AIの活用によるサービス業務の効率化、サービス品質向上。この絵の通り、なにか現場でトラブルが起きたときに、まず機械が止まります。それから電話サービスを呼ぶまで機械がずっと止まってるということは、生産が落ちるということなのですが、この人工知能からいろいろなことが吸いあげられますので、わかりやすくなっております。

戦略①:商品力の強化(3)

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そして次が「FRA」予知保全なのですが、この「INTU LINE」は月に5,000円を支払っていただかないとダメなんですけれども、クラウドに全部情報が入っていまして、そこから(AIによる予兆が)降りてくるということです。

今は、この予知保全は(機械が)止まってからではなくて、止まる前に「だんだんこの機能はこうなってますよ」というのがデータでわかるんです。ですから、故障して止まる以前にこれ(予兆)がわかるということが、非常に経営者の方に生産性を上げることに直接結びつくという(ことになっております)。今のライバル(企業)にはどこにもない機能なので、これは非常に受け入れられています。

戦略①:商品力の強化(4)

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これは新しいことなんですが、今年(2018年)の4月からのWEBパーツショップですが、ここをリニューアルしました。こういう自動設計ツールでユーザーの利便性をアップし、パーツ販売を拡大しました。発注から発送までを、省人化でやっております。

戦略②:グローバル展開力の更なる強化

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それからグローバル展開力の更なる強化ですが、世界各国のトップクラス企業をターゲットに、と思っております。日々これは海外の人たち、それから国内もまだ未納のところがございまして、ユーシン精機は未納です。そこへ積極的に、こういう新しい機械を売り込んでいきたいなと思っております。

戦略③:人材育成

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それから人材育成なのですが、さまざまな工場の自動化ニーズに対応するシステムインテグレータ(Sler)の育成。各種研修の実施、上級テクノスクール技術研修、マネジメント研修、海外トレーニー制度(があります)。

海外トレーニー制度は、本社で1年弱の人で海外に行きたいという方を1年間(研修させています)。海外手当はつけないのですが、住宅手当や交通費とかはもちろん全部会社もちです。日本の給料でも海外へ行くと、日本の給料は非常に高めに出ておりますから、(社員が)トレーニングをしたいというので出しております。

それから女性の積極採用女性は、どうしても(人数的には)非常に少ないです。400数十名のうち70名ぐらいなのですが、女性もすべて4年大卒の方たちなのですが、非常にエンジニアの方だったりいろいろ優秀な人がたくさん入っております。人数は少ないのですけれども、その人たちの活躍は非常に目立っておりますので、今後も積極的に取り組んでいきたいなと思っております。

ESG

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省エネ商品の継続的な開発です。これは、お客様が非常に喜ばれます。電気代が安いとか、電気をそんなに使わないとか、いろんなことがあるのですけれども。こういう商品を作ると、お客様の生産性が上がって費用が少ないということで、こういうのを作ってもらいたいなと私も思っておりますし、開発本部長も前向きにやっております。

働きやすい環境づくり(として)、働き方支援チームというのがありまして、看護師さんの免許をもっているかとか、いろいろとございます。それと女性ですが、法定以上の育休、これは取っております。非常に社内恋愛とかも多いのですが、社外の方と結婚している人でも産休で休んで、また帰ってくる。(育休を取った社員の)ほとんどの人が帰ってきます。

(産休・育休から)帰ってきたときの時短制度ですが、朝1時間・午後1時間とか人によって違うのですけれども、朝は定時に来て帰りが午後1時とか。いろんな時短制度を取り入れて、その方の能力を目一杯お使いしてもらう。

しかしながら、その時間内(は時短制度外のため社内)にいないので、いろいろなことが起きます。それを周りの人たちがカバーして(おります)。本当に子育てというのは人生で数年間なので、優秀な人材が辞めないようにというのは、会社としてバックアップしますし、するつもりで現状もしております。

次に、取締役会の進化です。前向きに、いろんなことを取り入れております。社外役員による活性化、実効性評価による改善。いろんなことをやって、取締役会では活発な会議が常に行われております。

株主還元策

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株主還元策でございます。今回(配当を)分割したのですけれども、(2019年3月期予想は)17円で昨年と同じというか、倍にすると34円になるんですけれども、このように考えております。連結での配当性向30パーセント以上を、いつも目標として考えております。

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